会話のない夫婦の離婚率、実は0.74/1000人と推定されています。
これは全国の離婚件数の約50.6%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の3.39倍なんです。
その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。
会話のない夫婦の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】
①「会話のない夫婦」とは?対象の定義と条件
ここでいう「会話のない夫婦」とは、平日の会話が10分未満、または週3日以上会話がない既婚カップルのことです。
この定義は、「夫婦間コミュニケーションの質的評価(2020年)」や「読売新聞(2023年)」など、信頼できる複数の調査をもとに設定しています。
②会話のない夫婦はどれくらい?割合を推定してみた
さまざまな調査を見ると、会話が少ない夫婦は意外と多いことがわかります。
- TBSニュースDIG(2023年)によれば、平日に「会話が0分」という夫婦が18%。
- 読売新聞(2023年)の調査では、40代の夫婦のうち37%が「週3日以上会話がない」と答えている。
- Journal of Marriage and Family(2019年)によると、1日10分未満しか会話しない夫婦は約30%。
これらの数字が重なる部分もあることを考慮し、控えめに「全体の15%」が会話のない状態にあると仮定します。
日本全国の既婚世帯は2,735万組(厚生労働省『国民生活基礎調査(2023年)』)なので...
2,735万組 × 15% = 約410万組
つまり、全国には約410万組の「会話のない夫婦」が存在していると推定されます。
③年間の離婚件数・確率はどのくらいになる?
読売新聞(2023年)では、「会話がない夫婦」の10年間の累積離婚率が19%とされています。
この離婚が10年間で均等に起きると考えると、1年あたりの離婚確率は次のように求められます。
1 - (1 - 0.19)1/10 ≒ 2.1%/年
この2.1%という年間離婚確率を、先ほどの「会話がない夫婦」410万組に当てはめると…
410万組 × 2.1% ≒ 約86,100件/年
つまり、1年間に約8万6千組の会話なし夫婦が離婚していることになります。
④会話がない夫婦の離婚率と全国平均との比較
推定によると、「会話がない夫婦」の離婚は年間でおよそ86,100件。
これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。
86,100 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.69/1000人
一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。
つまり、「会話がない夫婦」の離婚率は、全国平均のおよそ45%を占めているんですね。
また、年間86,100件という離婚件数は、1日あたりに換算すると…
86,100 ÷ 365 ≒ 約236組/日

これは、毎日約236組の「会話を交わさない夫婦」が、離婚という選択をしているということなんです。
SNSと検索データから見えた無言夫婦の現実
①「話さない、聞きたくない」SNSに溢れるリアルな声
SNS上では、「会話のない夫婦」にまつわる投稿があふれています。
中でも目立つのは、ネガティブな声。
489件の投稿を分析してみると、全体の65.9%(247件)が、「関わりたくない」「会話が通じない」といった、精神的に距離ができてしまった様子を訴えるものでした。
その背景には、育児や共働きによる慢性的な疲れ、無関心、セックスレス、スマホ依存などが絡んでいるようです。
一方で、「ペットを飼った」「趣味を共有した」など、ちょっとしたきっかけで会話が戻ったという投稿も37.6%(141件)見られました。
とはいえ、全体的には「無言のままがラク」「もう関わらない」といった閉じた印象が強く、SNSではネガティブな投稿が集まりやすい傾向にあると考えられます。
そのため、離婚リスクを過大評価しないようにしつつ、やや高めに1.2という補正係数を設定しました。
② Googleトレンドが示す、意外な関心地域と変化
Googleトレンドを使って、「夫婦 会話 ない」「夫婦 会話 ない 離婚」「旦那 会話 ない」などの検索キーワードを分析しました。
全体的に、検索ボリュームは一時的なピークを経て緩やかに落ち着いてはいるものの、現在でも継続して検索されており、夫婦間コミュニケーションへの根強い関心が読み取れます。
たとえば、「夫婦 会話 ない」は2011年・2013年頃にピークを迎えたあとも、2016年以降は安定的に検索され続けており、「旦那 会話 ない」も2012年以降は比較的高水準を保っています。
地域別に見ると、「夫婦 会話 ない」は熊本県、栃木県、山口県など地方県での関心が特に高い傾向がありました。
こうした検索傾向から、都市部よりも地方圏で「夫婦の会話不足」に対する問題意識が高まっていることがわかります。
ただし、検索の中心が地方に偏っていることから、全体平均と比べてやや高めに結果が出ている可能性もあります。
そこで、今回は少し控えめな0.9倍の補正係数を設定し、数値の調整をすることにします。
③データと投稿から見える、夫婦間の温度差と限界
ここまでで設定したSNS補正係数1.2と、検索トレンド補正係数0.9を掛け合わせます。
1.2 × 0.9 = 1.08
この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。
年間離婚件数:86,100件 × 1.08 ≒ 92,988件
年間離婚確率:92,988 ÷ 4,100,000 ≒ 2.27%/年
離婚率:92,988 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.74/1000人
そして、1日あたりに直すと…
92,988 ÷ 365 ≒ 約255組/日
つまり、毎日およそ255組の夫婦が、会話のない状態をきっかけに、離婚という選択に至っているということですね。
また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件の約50.6%にあたります。

既婚層全体の年間離婚確率(0.67%)と比べると、「会話のない夫婦」層の2.27%という数値は、約3.39倍の離婚リスクがあることを意味しているんです。
今後「会話がない夫婦」の離婚率はどうなる?2つの未来シナリオ
① 離婚件数が半減?夫婦の歩み寄りが定着した明るい未来
まずは、相談しやすい場や夫婦向けのサポートが広がって、自然と会話ができるような日が少しずつ増えていく、そんなポジティブな未来をイメージしてみましょう。
この場合、現在の年次離婚確率2.41%から、毎年0.15ポイントずつ下がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
2.41% − (0.15 × 10) = 0.91%
この0.91%の離婚確率を、該当する「会話がない夫婦」数(410万組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:410万組 × 0.91% = 約37,310件/年
離婚率:37,310 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.30/1000人
1日あたりで見れば、約102件/日。
ここで注目したいのは、現在の数値(92,988件/年)から約55,678件もの離婚が削減できるということです。
つまり、1日あたり約152組の夫婦が、離婚を回避できる計算になります。

夫婦の会話が戻り、日常のちょっとしたやりとりが温かくなるような、そんな未来になったら素敵ですよね。
② 離婚確率が3.27%に上昇?悪化シナリオがもたらす未来
一方、話すきっかけが掴めず、夫婦のすれ違いが深まっていくような状況が続いたとしたらどうなるでしょうか。
このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.086ポイントずつ上がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
2.41% + (0.086 × 10) = 3.27%
この3.27%の離婚確率を、同じく該当する「会話がない夫婦」数(410万組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:410万組 × 3.27% = 約134,070件/年
離婚率:134,070 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 1.07/1000人
1日あたりでは、約368件もの離婚が発生する計算です。
また、現在の数値(92,988件/年)と比較すると、1年で約41,082件も多くなり、10年で41万件超の差が生じる可能性もあります。
そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、3.27%は約4.88倍に相当します。

支援も会話も届かない状況が続けば、想像以上に深刻な結果を招く可能性があるんです。
③ 未来の差と今できること|10年後に後悔しないために
ポジティブな未来(0.91%)とネガティブな未来(3.27%)を比べると、たった10年で約2.36ポイント=約3.6倍もの離婚確率の差がつくことになります。
離婚率も、0.30/1000人 vs 1.07/1000人。
年間離婚件数では37,310件と134,070件という、なんと96,760件もの違いが生まれます。
この差は、「夫婦の会話」による小さな積み重ねが、未来を大きく変えていくという証拠です。
実際にネット上では、「少しの工夫で会話が戻った」「話すようになって子どもとの接し方まで変わった」といった声も見られます。
- 夫婦の予定共有アプリを導入する
ある家庭では、Googleカレンダーを夫婦で共有することで、互いのスケジュールが見える化され、自然と会話が生まれるようになりました。 「今週末何する?」という一言も、事前に予定が分かっていることでストレスなく伝えられるようになったそうです。 - 寝る前の3分間会話ルールを作る
子供が寝た後に夫婦で必ず3分だけ話すルールを導入した家庭では、「お互いに言いたいことを短く伝える習慣がついた」との声がありました。 話の内容よりも、「話すこと自体」を継続することが関係修復のきっかけになったといいます。 - 相手の得意を認める会話を意識する
「お互いを褒める習慣がなくなっていた」という家庭では、意識的に相手の得意なことや頑張っていることに言及するようになってから、表情や雰囲気が変わったそうです。 会話の内容を変えることで、関係性そのものも改善されたといいます。 - 第三者との相談環境を活用する
「家族以外と話す機会がないと、閉塞感が強くなる」と感じた夫婦では、地域の子育て支援センターやオンラインカウンセリングを活用することで、気持ちを切り替えることができたといいます。
夫婦関係の未来は、偶然ではなく「日々の積み重ねの結果」です。
今日始めた一つの行動が、10年後の離婚を変える一歩になります。

一度こじれた関係はすぐに戻るわけではありませんが、会話がなかった期間と同じだけ、回復にも時間が必要だと考えると、焦らずに続けていくことが何よりも大切です。