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義両親同居は離婚率2.4倍?近すぎる親族が壊す夫婦関係

2025年6月23日

義両親同居の離婚率

義両親同居世帯の離婚率、実は0.29/1000人と推定されています。

これは全国の離婚件数の約19.5%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の2.4倍なんです。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

義両親同居夫婦の離婚率をフェルミ推定してみた【独自分析】

①義両親同居とは?どんな夫婦が対象か

今回の分析では、「義両親と一緒に暮らしている既婚夫婦」が対象です。

つまり、夫婦とそのどちらかの親が同じ家で暮らしている状態のことですね。

完全に一緒に暮らしている場合だけでなく、敷地内同居や二世帯住宅のように、日々の生活が近い同居も対象にしています。

この条件に当てはまる夫婦を母集団として、これから推定を進めていきます。

②日本における義両親同居の割合を推定

まず、日本にいる既婚カップルは全部で2,735万組です(厚生労働省『国民生活基礎調査 2023年』)。

そのうち、三世代同居世帯の割合は10.2%(厚生労働省『国民生活基礎調査 2019年』)。

ここから「義父母と暮らしている割合」を見ていきましょう。

同居先の内訳は、夫の親と暮らす(嫁入り型)が65%妻の親と暮らす(婿入り型)が35%と仮定します。

また、三世代世帯のうち、実際に結婚しているカップルが含まれている割合を80%と想定します(未婚の子どもとの同居を除くため)。

以上の前提から、義父母と暮らしている既婚カップルの割合は、

10.2% × 80% = 8.16%
2,735万組 × 8.16% ≒ 約223万組

つまり、約223万組の夫婦が、義両親と同居していると推定されます。

③調査結果と仮定に基づいた年間離婚確率と件数

Sasaki et al.(2020, Journal of Marriage and Family)によれば、義両親と同居している夫婦は、そうでない夫婦よりも離婚リスクが1.7〜2.1倍に高まるという調査結果が出ています。

今回は中央値の1.9倍を使って計算します。

日本全体での一般的な夫婦の年間離婚確率は、183,808組 ÷ 2,735万組 ≒ 0.67%/年(厚労省『人口動態統計 2023年』)。

これにリスクの上昇係数1.9を掛けると、

0.67% × 1.9 = 1.27%/年

つまり、義父母と同居しているカップルは、1年で約1.27%が離婚していると考えられるわけです。

さらに、223万組という義両親と同居する夫婦数にこの確率を掛けて、年間の離婚件数を求めてみます。

223万組 × 1.27% ≒ 約28,321件/年

④全国平均と比較して何倍?義両親同居の離婚率

推定によると、義両親同居夫婦の離婚は年間でおよそ28,321件という結果となりました。

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

28,321 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.23/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、義両親と暮らしている夫婦の離婚率は、全国平均の約15.1%を占めているんですね。

また、年間28,321件という離婚件数は、1日あたりに換算すると…

28,321 ÷ 365 ≒ 約78組/日

これは、毎日約78組の「義両親と暮らす夫婦」が離婚していることになるんです。

SNSと検索トレンドから見える「義両親同居離婚」の苦悩と実態

①SNS投稿で見えた「限界だった」「しんどい」の声

SNS上で、「義両親同居」に関する投稿682件を分析してみました。

そのうち、ネガティブな感情が含まれていたのは274件で、全体の4割以上を占めています。

「モラハラや暴言」「お風呂を覗かれた」「精神的に限界」など、ただの不満を超えた深刻な声が数多く見つかりました。

「価値観の違い」「夫が不在で孤立」「育児や家事の押し付け」など、いくつもの要素が積み重なって、解消しづらい大きなストレスにつながっている様子がうかがえます。

一方で、「義両親が協力的だった」「住空間が分かれていた」といったポジティブな投稿も99件(全体の約15%)見つかっています。

ただし、うまくいっているケースには、「義両親の理解」「生活空間の独立性」「夫の橋渡し役」の3つがそろっていることが共通しており、どれかひとつでも欠けると、不満やストレスにつながりやすい傾向があるようです。

こうしたSNSでの傾向を補正するため、SNS投稿から読み取れる感情的ストレスの強さを反映し、やや高めに1.1という補正係数を設定しました。

②Googleトレンドに見る関心の高まりと地域差

Googleトレンドを見てみると、「義母同居」という検索ワードの関心が2022年ごろから急上昇し、2025年初頭にはピークに達しています。
「義両親同居」についても、2015年以降から安定して検索され続けています。

これは、特に義母との関係に対するストレスや問題意識が、検索という行動に表れやすいことを意味しています。

地域ごとの違いも顕著で、特に「山形県」「新潟県」「福島県」などで検索関心が高くなっています。

こうした地方圏では、同居文化が根強く残っていたり、持ち家率が高かったりと、多世代同居が続きやすい傾向があります(参考:総務省 住宅・土地統計調査 2023年)。

さらに、都市部と違って通勤や保育の支援が限られている地域では、義両親の助けが不可欠になるケースも多いのが現実です(参考:内閣府 出産・育児に関する意識調査)。

こうした背景を踏まえて、検索トレンドによる影響を数字で反映するために、やや高めの1.15という補正係数を設定しました。

③SNSと検索を掛け合わせて見えた義両親同居の離婚率

ここまでで設定したSNS補正係数1.1と、検索トレンド補正係数1.15を掛け合わせます。

1.1 × 1.15 = 1.265

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

年間離婚件数:28,321件 × 1.265 ≒ 35,852件
年間離婚確率:35,802 ÷ 223万組 ≒ 1.61%/年
離婚率:35,852 ÷ 1億2,500万 × 1000 ≒ 0.29/1000人

そして、1日あたりに直すと…

35,852 ÷ 365 ≒ 約98組/日

つまり、「年間約3,448人に1人」「毎日およそ98組の夫婦」が、義両親同居をきっかけに離婚に至っているということですね。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ19.5%にあたります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、義両親同居層は2.4倍の離婚リスクがあるんです。

義両親同居の離婚率は今後どうなる?5年後・10年後のシナリオ予測

①支援が進めば離婚確率は1.11%まで低下?ポジティブな未来

まずは、「敷地内別棟の二世帯住宅が普及し、義両親との物理的距離が適切に保たれる」 「自治体による家庭内介護・子育ての同居相談が制度化される」といった未来を想像してみましょう。

そんな前向きな未来では、今の離婚確率1.61%が、毎年0.1ポイントずつ下がると仮定します。

すると、10年後には...

1.61% − (0.1% × 10) = 1.11%

この1.11%の離婚確率を、該当する義両親同居層数223万組に当てはめてみると、

年間離婚件数:223万組 × 1.11% = 約24,753件/年
離婚率:24,753 ÷ 1億2,500万 × 1000 ≒ 0.20/1000人

1日あたりで見れば、約68件/日

ここで注目したいのは、現在の数値(35,852件/年)から約11,099件もの離婚が削減できるということです。

つまり、1日あたり約30組の夫婦が離婚を回避できる計算になります。

「義両親と同居しても続く夫婦関係」は、住環境や対話の工夫次第で、十分に実現可能な未来なのかもしれません。

②悪化すれば離婚確率は2.61%に?ストレス増大シナリオ

一方で、「家賃や住宅価格の高騰でやむを得ず義両親と完全同居せざるを得ない」 「夫婦間で同居に関する話し合いの時間が持てず、生活ルールが曖昧なまま始まる」ような状況が続いたとしたらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.1ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には...

1.61% + (0.1% × 10) = 2.61%

この2.61%の離婚確率を、同じく義両親同居層223万組に当てはめてみると、

年間離婚件数:223万組 × 2.61% = 約58,203件/年
離婚率:58,203 ÷ 1億2,500万 × 1000 ≒ 0.47/1000人

1日あたりでは、約159件もの離婚が発生する計算です。

また、現在の補正後数値(35,852件/年)と比較すると、1年で約22,351件も多くなり、10年で22万件超の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、2.61%は約3.9倍に相当します。

対策をせずに義両親との同居を始めると、思っていた以上に夫婦関係に負担がかかることもあるんです。

③10年後に差が出る?義両親同居の離婚率と生活満足度の未来と対策

ポジティブな未来(1.11%)とネガティブな未来(2.61%)を比べると、たった10年で1.5ポイント=約2.4倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.20/1000人 vs 0.47/1000人

年間離婚件数では24,753件58,203件という、なんと33,450件もの違いが生まれます。

この差は、「夫婦+義両親」という関係性に、どれだけ事前準備をしたかによって変わるんです。

実際にネット上では、次のような対策が取り入れられていました。

  1. 夫婦で義両親対応ルールを紙に書き出す
    ある家庭では、「家事の分担は?」といった曖昧なルールを夫婦で紙にまとめました。 書面にすることで、感情論にならず冷静に話し合えるようになり、意見の食い違いも減ったといいます。 義両親にも「これが私たちのルールです」と説明できるため、トラブル回避に役立っています。
  2. 夫が味方だと分かる言動を意識する
    義両親との間に立つ夫がどっちつかずだと、妻側の不満が爆発しやすい傾向があります。 ある妻は「夫が“ごめん、俺がうまく言うから”って言ってくれただけで、救われた」と振り返ります。 物理的な対応よりも、「自分の味方だ」と分かる一言の方が、精神的にはるかに効くようです。
  3. 同居前に絶対NG条件を夫婦で確認する
    ある夫婦では、「週1以上の干渉は禁止」「居室へのノックなし訪問は即注意」といった絶対NG条件をあらかじめ定めました。 明確な地雷回避が、円満な同居の鍵になったとのことです。
  4. 子育て感覚の違いをあえて言葉にして共有する
    「昔は放って育てた」「今は過干渉すぎる」と世代間で子育て方針がズレるのは当然です。 ある家庭では、妻が「夜9時以降は静かに過ごしたい」「甘いお菓子は控えたい」など、具体的な方針を義両親に伝えました。 最初は驚かれましたが、「ちゃんと理由がある」とわかると、少しずつ距離感を調整してくれたそうです。
  5. 完全同居以外の距離感を検討する
    必ずしも完全同居だけが選択肢ではありません。 ある夫婦は、義両親の近隣に住み「買い物・通院の付き添いは週2回だけ」と決める近居サポート型を導入しました。 同居より心理的な負担が少なく、「手伝い」と「生活」を切り分けやすくなったといいます。
  6. 家事の正解を義母とすり合わせる時間をとる
    「なぜ干し方が違うの?」「なんでそんな順番なの?」と、家事観の違いは意外な火種になります。 ある家庭では、休日にあえて義母と一緒に家事を行い、「私のやり方はこうです」と伝えたそうです。 面と向かって伝えるのは勇気がいりますが、実際には「なるほどね」と納得されたとのこと。 違いを否定ではなく共有に変える工夫が、関係改善につながったようです。

義両親との同居は、「近くにいるからこそ気を遣いすぎる」という繊細なバランスの上に成り立っています。

でも、「事前にルールを作る」「自分の価値観を伝える」など、いくつかの小さな取り組みが大きな効果を生むこともあります。

あなたの10年後の笑顔は、「いま話す」「いま書き出す」その一歩から、すでに始まっていますよ。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

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