結婚相談所で結婚すると、離婚率が低い。
結婚相談所婚の離婚率は10%だ。
そんな話をあちこちで見かけます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
先に結論から言うと、結婚相談所で結婚した人の離婚率は14.92%でした。
これは公開されている公的な統計から計算した数字です。
100組が結婚したら、そのうちおよそ15組。
6.7組に1組が、一生のうちに一度は離婚する計算になります。
確かに、5組に1組が離婚する一般の結婚よりは離婚しにくいように見えます。
でも、飛び抜けて低い数字でもないんですよね。
なぜこの14.92%になるのか。
そして、よく言われる10%はどこから来た数字なのか。
これについて以下でさらに詳しく解説していきますね。
結婚相談所の離婚率は14.92%
まず、ここで言う離婚率とは、一生のうちに一度でも離婚する割合のことです。
1年間に離婚する割合は、年齢ごとに公的な統計で出ています(出典:国立社会保障・人口問題研究所 年齢別の有配偶離婚率)。
ここで使うのは2020年時点の数字です。
この率がこの先も続くという前提で計算していきます。
例えば30代前半だと、その年に離婚する人は結婚している人のうち1%ほど。
年齢が上がるほど、この割合は小さくなっていきます。
気をつけたいのは、これが1年間の割合だという点です。
1年間の離婚率を、そのまま一生の離婚率として使うことはできません。
実際、ある記事はこの1年あたりの数字(0.5%ほど)だけを見ていました。
それで相談所の離婚率は1%未満だと結論付けていたのです。
生涯離婚率を出すには、結婚してから70歳になるまで1年ずつ掛けるなどの計算をしていく必要があります。
大手のIBJが出している成婚白書によると、相談所を通じて初婚で結婚した男性の年齢は中央値で36歳でした(出典:IBJ 成婚白書2024)。
つまり、成婚した人の半分が36歳より上、半分が下ということです。
今回はこの36歳を結婚相談所の初婚年齢として使います。
計算方法としては、
- まず、1年間に離婚する割合を結婚した36歳から70歳まで1年ずつ掛け合わせていきます。
- そうすると、70歳までに一度も離婚しない人の割合が出ます。
- その残りの割合が、一度は離婚した人、つまり一生のうちに離婚する割合です。
これを計算すると以下になりました。
離婚率は14.92%。
つまり、6.7組に1組です。
結婚相談所で結婚した30組のうち、4組から5組がいつかは離婚する計算になります。
一方、平均的な一般の初婚は31.0歳です(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平均初婚年齢)。
同じ計算を31歳スタートでやり直すと、離婚率は20.04%。
こちらは5組に1組でした。
結婚相談所が一般の離婚率より低いのは本当か
この14.92%は、相談所で結婚する人の年齢だけを一般の統計に当てはめて出した数字です。
結婚相談所で結婚した人のその後を追跡調査して出したわけではありません。
だからこの計算だけでは、相談所だから低いとも相談所は関係ないとも言い切れないんですよね。
ただ、結婚する年齢が高いほど離婚しにくいという傾向自体は確かです。
公的な統計を見ても、若い年齢で結婚した人ほど離婚率は高くなっています。
福田節也さんが公開されているJPSC(消費生活に関するパネル調査)を使った分析でも、初婚年齢が高い人ほど離婚しにくい傾向が示されています(出典:福田節也 JPSCを用いた離婚の分析(PDF))。
結婚相談所で結婚する人は、平均より結婚年齢が高めです。
だから一般の20.04%より低いのは、相談所の実力というより結婚する年齢が高いことが大きく関係しています。
また、相談所で結婚する人には別の特徴もあります。
IBJの会員データによると、9割が初婚で学歴や年収も平均より高めです。
林雄亮さんと余田翔平さんが2014年に発表した研究(季刊家計経済研究)では、学歴や収入が低い層ほど離婚しやすいという結果が出ています(出典:林雄亮・余田翔平「離婚行動と社会階層との関係に関する実証的研究」季刊家計経済研究101号(2014))。
つまり、相談所で結婚する人は、この離婚しにくい層の方が多いということになる。
だとすれば本当の離婚率は、年齢だけで計算した14.92%より少し下になります。
ただ、それがどこまで下がるのかは計算に入れることはできません。
学歴や年収が離婚をどれだけ下げるのか、その係数がはっきりしないからです。
だから、14.92%は今の公開データから出せる一番現実的な結婚相談所の離婚率なんです。
よく言われる10%はどこから来た数字なのか
結婚相談所の離婚率について、Yahoo知恵袋にこんな質問がありました。
「よく結婚相談所で出会った結婚は離婚率が低いと言われていますが、本当なのでしょうか? 恋愛結婚の離婚率は25%、結婚相談所の離婚率10%、といった数値が出されますが、探しても根拠となるデータが出てきません。そもそも成婚退会後の会員のその後を2年後3年後10年後まだ結婚生活は続いているかきちんと調査をしてデータを取っているのでしょうか?」
Yahoo知恵袋
同じ疑問を持ったので、よく言われる10%という離婚率がどこから来たのかを調査してみたところ、検索して出てくる記事19件のうち離婚率の数字を出していたのは13件だけでした。
そのうち、約10%としていたのは7件。
残りの6件は1%未満から14.8%まで、記事によって数値が違います。
しかも、数字を出しているのは全部が結婚相談所側でした。
公的機関や報道など、関係のない立場で離婚率について触れていたものはひとつもありません。
また、その数字の元になった調査の詳細まで書いていた記事は13件のうち1件だけ。
その1件も、やはり結婚相談所側が調べた数字でした。
しかも、結婚相談所で結婚した人に、これまで離婚した経験があるかを尋ねたアンケートです。
結局、ちゃんとした元データは見つかりませんでした。
有力そうなのは、成婚率とごっちゃになっていることです。
業界では成婚率が1割前後で語られることがあり、これを離婚率と混同している可能性があります。
10%は家庭裁判所の統計だという説もありました。
ですが家庭裁判所の統計を調べても、お見合いと恋愛を分けた数字は見当たりませんでした。
つまりよく言われる10%は、成婚率との混同や別の数字の当てはめから広まったものと考えられ、少なくとも結婚相談所で結婚した人の離婚を実際に追跡して出した数字ではなさそうです。
また、成婚して退会したあとを追跡した公的な統計も探しても見つかりませんでした。
結婚相談所で結婚して離婚した人の共通点
実際に結婚相談所で結婚して、離婚した人の話なら見つかりました。
統計として数えられるほどの数ではないので、あくまで個人の体験談としていくつか紹介します。
結婚相談所で出会った相手と半年で結婚し、わずか半年で離婚しました。夫からは、条件が合っていたから結婚したけれど初めから愛情はなかったと言われました。
3年かけて3つの相談所を渡り歩いて、ようやく成婚しました。それなのに、入籍から2週間で離婚。結婚するまでは良く見えていた相手が、結婚したとたんに人が変わったんです。
35回のお見合いを重ねて、ようやく結婚できました。それでも、1年ほどで離婚してしまいました。
結婚相談所は年齢や年収、学歴といった条件で相手を選べる仕組みです。
それでも、いざ暮らし始めるとうまくいきません。
性格が合わない、気持ちがついてこない、価値観がずれている。
そんな理由で離婚に至っています。
離婚率14.92%だけでは実際の状況は見えてこないので、こういった体験談もあるということを頭に入れておく必要がありますね。