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結婚式をしない夫婦は離婚率1.23倍?節目がない関係に潜む落とし穴

2025年8月18日

結婚式をしない夫婦の離婚率

結婚式をしない夫婦の離婚率、実は0.818/1000人と推定されています。

これは全国の離婚件数の約55.8%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の約1.23倍なんです。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

結婚式しない夫婦の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】

①結婚式しない夫婦とは?今どきの「ナシ婚」とはどんな形?

「結婚式をしない夫婦」とは、入籍などの法律婚はしているけれど、挙式や披露宴といったセレモニーを行わないカップルのことです。

いわゆる「ナシ婚」と呼ばれるスタイルで、フォト婚や家族だけの食事会すら行わない完全非セレモニー型も含まれます。

20代〜30代を中心に増えていて、合理的な考え方や費用面、価値観の多様化が背景にあるとされています。

ここでは「式を挙げていない夫婦(ナシ婚)」が、結婚式を挙げた夫婦(式あり)と比べてどう違いがあるのかを数値で分析していきます。

②ナシ婚はどれくらいいる?割合と背景を推定

日本には、約2,735万組の既婚カップルがいます(厚労省「国民生活基礎調査2023」)。

マイナビウエディングの調査(2023年)によると、直近1年間に結婚したカップルのうち、実際に挙式をしたのは全体の45.3%

つまり、今どきの新婚さんのうち、半分以上54.7は結婚式を挙げていない「ナシ婚」だということです。

とはいえ、現在の既婚者には、20年以上前に結婚した人たちも含まれます。

そのため今回は、直近の数値をそのまま使わず、やや控えめに「ナシ婚=45.3%」という割合を全体に適用して推定していきます。

この割合から導き出すと、結婚式なし層は...

2,735万組×45.3%=1,285万組

残りの54.7%、約1,450万組は、結婚式を挙げた「式あり」層ということになります。

③離婚確率は実際どれくらい?年間の離婚確率と件数を推計

アニヴェルセル総研の調査(2016年)では、ナシ婚夫婦の離婚リスクは、式あり層と比べて約1.30倍高いという結果が出ています。

この数値をもとに、式あり層の年間離婚確率を0.5917%、ナシ婚層を0.7691%として算出しました。

この計算は、厚生労働省が発表している全国の年間離婚件数183,808件と整合がとれるように調整されています。

この確率をナシ婚人口に当てはめると、年間の離婚件数は...

1,285万組×0.7691%= 約95,294件

一方、式あり層(1,450万組)からの離婚件数は約88,514件と推定され、件数ではナシ婚のほうが上回っています。

④ナシ婚と式あり夫婦を比較すると?全国平均との違いを解説

推定によると、ナシ婚層の離婚は年間でおよそ95,294件

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

95,294 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.76/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、ナシ婚層の離婚率は、全国平均のおよそ55.8%を占めているんですね。

また、年間95,294件という離婚件数は、1日あたりに換算すると約261組の夫婦が離婚している計算になります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、「ナシ婚」層の離婚確率は0.769%約1.15倍のリスクがあるんです。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNSと検索データから見えた「ナシ婚離婚」のリアルな声と傾向

①SNS投稿から見える不満・後悔・価値観のズレ

SNS上で「結婚式をしない」という選択に対する投稿を分析してみると、ナシ婚を経験した人やその家族から、ネガティブな意見が目立ちました。

たとえば、「経済的な事情で式を挙げられなかった」「親族の理解が得られず寂しかった」といった声が多く見られます。

投稿の分類では、ネガティブ156件、ポジティブ129件、中立191件という結果に。

なかでも、お金の問題や親とのすれ違いに関する話題が多く、ナシ婚には特有のプレッシャーや葛藤があることがうかがえます。

このような投稿傾向から、「ナシ婚夫婦は、ややストレスを感じやすい層」として、やや高めに1.04というSNS補正係数を設定しました。

②Googleトレンドが示す関心の広がりと地域傾向

Googleトレンドによれば、「結婚式しない」という検索は2009年ごろから増え始め、2014年〜2018年にかけて特に多く検索されていました。
ここ数年はやや落ち着いてきたものの、今も安定して検索されており、一定の関心は続いています。

地域別で見ると、香川・富山・長崎・大分・愛媛など、四国や九州・北陸エリアで検索が多くなっていました。

これは「式場が少なく、費用に敏感な地域」で、ナシ婚が合理的な選択として受け入れられている可能性があります。

一方で、「結婚式しない 離婚」というワードの検索は全体では少ないながら、福島県など一部地域で一時的な急上昇が見られました。

これは、SNSやニュースをきっかけに、「式を挙げないと離婚しやすいのでは?」と心配になった人が検索したと考えられます。

この傾向をふまえて、検索データによる補正係数は、やや高めに1.035と設定しました。

③投稿傾向と検索データの組み合わせで見えた課題

ここまでで設定したSNS補正係数1.04と、検索トレンド補正係数1.035を掛け合わせます。

1.04 × 1.035 = 1.0764

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

年間離婚件数:95,294件 × 1.0764 ≒ 102,497件
年間離婚確率: 0.7691% × 1.0764 ≒ 0.8271%/年
離婚率: 102,497 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.8181/1000人

そして、1日あたりに直すと…

102,497 ÷ 365 ≒ 約281組/日

つまり、毎日およそ281組の夫婦が、「結婚式を挙げなかった層(ナシ婚)」から離婚しているということですね。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のうち、約55.8%を占めています。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、「ナシ婚」層は約1.23倍の離婚リスクがあるんです。

これからナシ婚夫婦の離婚率はどうなる?未来のシナリオを予測

① 離婚件数が半減も?支援や理解が進んだ場合の未来

まずは、ナシ婚という選択がもっと広く理解され、夫婦の絆を深める仕組みが整った未来から想像してみましょう。

この場合、現在の年次離婚確率0.798%から、毎年0.05ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.798% − (0.05% × 10) = 0.298%

この0.298%という離婚確率を、該当するナシ婚世帯数(1,285万組)にあてはめてみると…

年間離婚件数:12,854,500組 × 0.00298 ≒ 38,325件/年
離婚率:38,325 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.31/1000人

1日あたりで見れば、約105件/日の離婚というペースです。

ここで注目したいのは、現在の数値(102,497件/年)から約64,000件もの離婚が削減できるということ。

つまり、1日あたり約175組の夫婦が離婚を回避できる計算です。

ナシ婚が「式を挙げないから不安」ではなく、「自分たちらしい形」と捉えられれば明るい未来が見えてきます。

② 離婚確率1.3%超に?サポート不足で悪化する未来

一方、ナシ婚に対する理解が広がらず、「手抜き婚」「覚悟がない」などの偏見が放置されてしまったらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.05ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.798% + (0.05% × 10) = 1.298%

この1.298%という離婚確率を、同じくナシ婚世帯(1,285万組)にあてはめてみると…

年間離婚件数:12,854,500組 × 0.01298 ≒ 166,911件/年
離婚率:166,911 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 1.34/1000人

1日あたりでは、約457件/日の離婚が発生する計算です。

現在の件数(102,497件/年)と比べると、1年で約64,400件も多くなり、10年で64万件超の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、1.298%は約1.94倍に相当します。

ナシ婚夫婦に対する社会の認識が変わらなければ、離婚のリスクが想像以上に膨らんでしまうかもしれません。

③ 10年後にどう差が出る?未来予測から今できる対策を考える

ポジティブな未来(0.298%)とネガティブな未来(1.298%)を比べると、たった10年で約1.0ポイント=約4.4倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.31/1000人 vs 1.34/1000人。

年間離婚件数では38,325件166,911件という、なんと約128,586件もの違いが生まれます。

実際にネット上でも、「ナシ婚と離婚って関係あるの?」という疑問の声がたくさんあがっています。

たとえば、「できちゃった婚で式を挙げられなかっただけでは?」とか、「そもそも結婚の準備が不十分だったのでは?」という見方も。

一方で、「結婚式をした人のほうが離婚してるように感じる」「式の有無と離婚は関係ないと思う」という意見も多くありました。

中には、「式をしなかった分、現実的な判断ができるタイプかも」といった肯定的な見方もあれば、「ナシ婚は責任感がない」と厳しく見る人も。

また、「式を挙げなかったことで親族との関係がうまくいかない」とか、「親にとっての区切りになる場がないのが寂しい」という声も見られました。

こうして見ていくと、ナシ婚だからといって一概に「離婚しやすい」とは言えません。

むしろ、大切なのは周りの理解やふたりの気持ちの持ち方です。

ナシ婚夫婦が実際にやっている日常の工夫

  1. 写真だけの結婚式を後撮りで行う
    結婚式は挙げなかったけれど、あとからフォト婚を実施。 ドレス姿の写真が、夫婦で思い出を振り返る大切なきっかけになっているそうです。
  2. 両家顔合わせ会を丁寧に行う
    親にとっての「区切り」がなかったと感じた家庭では、レストランで顔合わせを実施。 親族の距離もグッと縮まって、関係がスムーズになったとか。
  3. 家族や親族への挨拶まわりを欠かさず行う
    結婚式がなくても、きちんと挨拶にまわったことで「ちゃんとしてるな」と好印象を持ってもらえたという声もあります。
  4. 結婚記念日に振り返り時間をつくる
    式がない分、記念日には二人で思い出の写真を見返すようにしている家庭も。 これが毎年の小さな節目になっているそうです。
  5. ありがとうの日を自分たちで設定する
    結婚式がなかった分、感謝を伝える日をつくって、手紙を書いたりプレゼントを贈り合ったり。 お互いを思いやる気持ちを育てているそうです。
  6. 外野の声から自分たちを守るルールを決める
    周囲の何気ないひと言に心が揺らがないよう、「すぐに反応しない」「まず夫婦で話してから返す」など、ふたりの中でルールを決めているという家庭もありました。

ナシ婚だからこそ、自分たちらしい夫婦の形が大切になってきます。

大きなイベントよりも、ふたりで過ごす日々の中にあるちょっとした工夫や気配りが、絆を深めてくれるんですね。

あなたの10年後の幸せは、今日ふたりで始めるひとつの習慣から生まれるかもしれません。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

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