本ページはプロモーションが含まれています 離婚率のフェルミ推定

年の差婚は離婚率1.2倍?5歳・10歳以上差の埋まらないギャップ

年の差婚離婚率実は5〜9歳差で0.263/1000人、10歳以上で0.099/1000人と推定されています。

全国の離婚件数の合計で約25%を占めており、年離婚確率ではどちらも全国平均の約1.2倍・1.35倍にあたります。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

年の差婚の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】

①年の差婚とは?年齢差がある夫婦の定義

今回の分析では、「年の差婚」を夫婦間の年齢差が5歳以上あるケースと定義します。

さらにその中でも、特に年齢差が大きい「10歳以上」の夫婦についても、個別に取り上げてみました。

ちなみに、平均的な日本の夫婦は、夫が31.1歳・妻が29.7歳。年齢差はおよそ1.4歳です(出典:厚生労働省/総務省)。

つまり、5歳以上の年齢差がある夫婦は、全体の中でも少数派

だからこそ、ネガティブに注目されやすい層と言えます。

②年の差婚の割合を年齢差別に推定

まず、日本にいる既婚カップルは約2,735万組です(出典:厚生労働省『国民生活基礎調査(2023年)』)。

婚姻実態調査によると、「年齢差が3歳以内」の夫婦が約69.9%。つまり、それを超える年齢差の夫婦は、全体の30%ほどしかいません。

この30%の中身を、以下のように仮定します。

  • 4歳差:10%
  • 5〜9歳差:15%
  • 10歳以上差:5%

この分布は、日本の文化や過去の調査、そして海外研究(Emory大学など)を参考にしながら、妥当な範囲で仮定しています。

すると、各年齢差の夫婦数は...

▼年の差婚(5~9歳)の夫婦数
2,735万組 × 15% = 約410.3万組

▼年の差婚(10歳以上)の夫婦数
2,735万組 × 5% = 約136.8万組

③仮定とデータに基づいた年齢差ごとの離婚確率と件数

アメリカ・Emory大学の研究によると、年の差が大きいほど、離婚のリスクも上がる傾向があります。
5歳差 → 離婚確率 +18%
10歳差 → 離婚確率 +39%

ただしこれはアメリカのデータ。日本の文化や夫婦観とは違いがあるため、リスク上昇率に0.7の保守係数をかけて補正します。

すると、日本での年の差離婚確率は...

5~9歳差 → 0.67% × (1 + 0.126) = 0.754%/年
10歳差以上 → 0.67% × (1 + 0.273) = 0.853%/年

※0.67%は、既婚層の年間離婚確率(全国平均)

この確率をもとに、年の差夫婦の離婚件数を計算すると...

5~9歳差の夫婦:410.3万組 × 0.754% ≒ 30,937件/年
10歳差以上の夫婦:136.8万組 × 0.853% = 11,664件/年

④平均離婚率との比較で見えるリスクの傾向

推定によると、年の差婚(5~9歳)の離婚は、年間でおよそ30,937

10歳差以上の夫婦は年間でおよそ11,664件の離婚件数となりました。

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

5~9歳差の夫婦:30,937 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.247/1000人
10歳差以上の夫婦:11,664 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.093/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は 1.52/1000人

つまり、年の差婚(5〜9歳差)の離婚率は、全国平均の約16.3%を占めているんですね。
また、10歳以上の年の差婚の離婚率は、全国平均のおよそ6.1%です。

また、年間30,937(10歳差以上は11,664件)という離婚件数は、1日あたりに換算すると、およそ85組(32組)の夫婦が離婚している計算になります。

さらに、既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べてみると…

年の差婚(5~9歳)の離婚確率は 0.754%約1.126倍のリスク
年の差婚(10歳以上)の離婚確率は 0.853%約1.273倍のリスクがあるんです。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNSと検索データから見えた「年の差婚 離婚」の実際

①「価値観が合わない」?SNSに多い現実的な声

SNS上で「年の差婚」に関する投稿を分析すると、ネガティブが102件、ポジティブが79件、中立が67件と、ややネガティブ寄りの傾向が見られます。

ネガティブな投稿では、「親子ほどの年の差はやめた方がいい」「老老介護の末に看取る未来しか見えない」といった現実的な不安や負担が語られていました。

一方で、「夫と12歳差だけど精神的に落ち着ける」「介護を通じて夫婦の絆が深まった」というようなポジティブな声も見受けられました。

ただ全体的にはネガティブな投稿がやや多く、その傾向を反映するためSNS補正係数はやや高めに1.127に設定しました。

②Googleトレンドで分かった関心の高まりと地域性

Googleトレンドでは、「年の差婚」というキーワードの検索量は2013年頃からじわじわと増え、2018年ごろにピークを記録。その後も大きく下がることなく、関心が継続しています。

また、「年の差婚 離婚」というワードは、一部報道をきっかけに検索数が跳ね上がるなど、注目度の高さがうかがえます。

地域別で見ると、佐賀県や鹿児島県、宮崎県と九州地方での関心が高め

この背景には、結婚に対する価値観、年齢差のある結婚に対する文化的な受容度などが影響している可能性があります。

こうした地域的な関心の偏りを踏まえて、やや抑えめに0.944というGoogle検索補正係数を設定しました。

③投稿と検索を掛け合わせて見えた、すれ違いの実態

ここまでで設定したSNS補正係数1.127と、検索トレンド補正係数0.944を掛け合わせます。

1.127 × 0.944 = 1.063088

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

【5~9歳差の補正結果】

年間離婚件数:30,937件 × 1.063088 ≒ 32,913件/年
年間離婚確率:32,913 ÷ 4,103,000 ≒ 0.802%/年
離婚率:32,913 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.263/1000人

そして、1日あたりに直すと…

32,913 ÷ 365 ≒ 約90組/日

つまり、毎日およそ90組の5〜9歳差夫婦が離婚に至っているということですね。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ17.9%にあたります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、5〜9歳差層は約1.2倍の離婚リスクがあるんです。

【10歳差以上の補正結果】

年間離婚件数:11,664件 × 1.063088 ≒ 12,406件
年間離婚確率:12,406 ÷ 1,368,000 ≒ 0.907%/年
離婚率:12,406 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.099/1000人

そして、1日あたりに直すと…

12,406 ÷ 365 ≒ 約34組/日

つまり、毎日およそ34組もの10歳差以上の夫婦が離婚していることになります。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ6.8%に相当します。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、10歳差以上層は約1.35倍のリスクがあるのです。

今後、年の差婚の離婚率はどうなる?未来シナリオ予測

①離婚件数が減る?支援や理解が進んだ場合の未来

まずは、高年齢側のパートナーが積極的に若年齢側のライフスタイルに歩み寄るようになった未来を想像してみましょう。

また、自治体や企業による「世代差カップル向けカウンセリング」や「年の差婚向け支援制度」などが普及したら...。

この場合、現在の年次離婚確率0.802%(5歳差以上)から、毎年0.02ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.824% − (0.02 × 10) = 0.624%

この0.602%の離婚確率を、該当する5歳差以上の夫婦数(549.7万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:549.7万組 × 0.624% ≒ 34,325件/年
離婚率:34,325 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.275/1000人

これは、1日あたりだと約94件/日

ここで注目したいのは、現在の数値(45,319件/年)から約10,994件もの離婚が削減できるということ。

つまり、1日あたり約30組の夫婦が離婚を回避できる計算になります。

年齢差を乗り越える工夫があれば、10年後も穏やかな結婚生活が続くんですね。

②離婚確率が上昇?サポート不足がもたらすリスク

一方、高年齢側が従来の価値観に固執し、夫婦間のすれ違いが続いたとしたらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、現在の年次離婚確率0.824%から、毎年0.02ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.824% + (0.02 × 10) = 1.024%

この1.024%の離婚確率を、同じく5歳差以上の夫婦(549.7万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:549.7万組 × 1.024% ≒ 56,313件/年
離婚率:56,313 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.450/1000人

これは1日あたりだと、約154件/日。

全国の年間離婚件数183,808件に対しては、30.6%を占める割合です。

また、既婚層の平均離婚確率(0.67%)と比べると、1.024%は約1.53倍に相当します。

世代間のすれ違いを放置すれば、それだけ離婚リスクが積み重なっていくんです。

③10年後の違いと、今わたしたちができること

ポジティブな未来(0.624%)とネガティブな未来(1.024%)を比べると、たった10年で0.4ポイント=約1.64倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.275/1000人 vs 0.450/1000人

年間離婚件数では34,325件と56,313件という、なんと21,988件もの違いが生まれます。

この差は、「年の差婚だから起きやすいすれ違い」を、放置するか・向き合うかの差で生まれるんです。

実際にネット上では、様々な工夫をして上手くやっている家庭があります。

  1. 「年齢差を話題にする」週1回の習慣
    ある家庭では、年齢差による誤解やズレがたまらないよう、週1回「最近気になった違い」を話し合う時間を決めているそうです。小さな違和感でも、その都度話題にすることで、無意識のズレが衝突になる前に解消できるようになりました。
  2. テレビ番組1本分だけ一緒に見て感じたことを話す
    ある夫婦は、世代で違う価値観を埋めるため、あえてお互いの世代のドラマやバラエティ番組を見て、その後に感想を交換しています。「なんでこれが面白いの?」「当時はこうだったよ」といった会話を通して、理解と共感のが生まれたといいます。
  3. 家計アプリで経済感覚を可視化する習慣
    ある妻は、夫の金銭感覚がバブル期基準で価値観が合わず、何度も喧嘩になっていました。そこで家計簿アプリを共有し、現在の相場や支出傾向を一緒に見ながら話すようになってから、認識の差が減っていったそうです。
  4. 「子育て・介護に備えた役割表」を夫婦で一緒に作る
    将来的に「若い方に負担が集中する」懸念から、今のうちに家事や介護の準備分担を見える化したという声もありました。年齢差に応じた予防的な家族会議が、のちの衝突を減らすという具体例です。
  5. 相手の健康を一緒に管理するスタイルに切り替える
    ある家庭では、「親子みたいになるのが嫌」と感じたことから、夫婦で血圧や歩数をスマホで一緒に記録し合うようにしたそうです。管理される側・する側ではなく、支え合うペアという認識ができ、年齢差に対する不満も減っていきました。
  6. SNSの世代ギャップをネタにしてみる
    若い妻が夫の時代感覚にモヤモヤし、「SNSの使い方が根本的に違う」と感じたエピソードも。そこで、妻が夫に「バズってるワード」や「若者言葉」をクイズ形式で教える遊びを始めたところ、笑いを通じて距離が縮まったそうです。

違いがあるのは、年の差婚ではむしろ自然なこと。

大切なのは、「世代の差」を埋めるより、「感じ方の違い」を受け止める姿勢です。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

-離婚率のフェルミ推定
-,