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同棲せずに結婚は離婚率1.13倍?すり合わせ不足が後悔を生む

同棲せずに結婚した夫婦の離婚率、実は1.00/1000人と推定されています。

これは全国の離婚件数の68.2%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の1.13倍なんです。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

同棲せずに結婚した夫婦の離婚率をフェルミ推定してみた【独自分析】

①同棲せずに結婚とは?対象となる夫婦の定義

今回の分析では、「交際中に同居はせず、入籍を機に一緒に暮らし始めた夫婦」を対象にします。

欧米ほど婚前同棲が一般的でない日本では、同居を挟まない夫婦は少なくありません。

②同棲せず婚の割合を推定する

アニヴェルセル総研の調査(2025年)によると、20〜39歳の若年層既婚者のうち、結婚前に同棲していなかった人の割合は52.9%でした。
また、年齢が上がるにつれて、婚前に同棲していた人の割合はさらに減る傾向にあります(Raymo & Iwasawa 2008/出生動向基本調査 2021年)。

この傾向をふまえて、全体の既婚カップルのうち「同棲せずに結婚した層」は、やや保守的に見積もって60%と仮定すると...

2,735万組 × 60% = 1,641万組

つまり、日本全国で約1,641万組のカップルが、「同棲せずに結婚した層」と推定されます。

③年間離婚確率とフェルミ推定による離婚件数算出

複数の研究では、「同棲の有無が結婚の安定性に大きく影響しない」という結果が示されています(例:渡辺 2020『家族社会学研究』など)。

そこで今回は、同棲なしカップルの年間離婚確率を、全国平均と同じ0.67%と仮定して算出していきます。

これを同棲せずに結婚した夫婦数に当てはめると...

1,641万組 × 0.0067 ≒ 109,947件/年

つまり、同棲なしで結婚した夫婦は、1年間で約11万組が離婚している計算になります。

④推定結果と全国平均の離婚率を比較

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

109,947 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.88/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、「同棲せずに結婚した層」の離婚率は、全国平均のおよそ58%を占めているんですね。

また、年間109,947件という離婚件数は、1日あたりに換算するとおよそ301組の夫婦が離婚している計算です。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNSと検索トレンドから見えた同棲せず婚と離婚の実態

① SNS投稿はネガティブ優勢?「後悔した」「地獄」の声

SNS上の「同棲せずに結婚した夫婦」に関する投稿を分析すると、ポジティブな投稿が99件だったのに対し、ネガティブな投稿は188件。およそ2倍の差がありました。

なかには「信頼関係が深まった」「新鮮な気持ちが続いている」といったポジティブな体験談も見られますが、全体としてはネガティブな意見の方が多いのが実情です。

とくに目立ったのは、「家事分担がうまくいかない」「生活リズムが合わずストレス」といった生活面のすれ違い。

こうした「暮らしてみないとわからなかったギャップ」が、日々の不満や衝突につながっているようです。

また、「同棲してたら、結婚しなかったかも」「離婚はできないけど、正直後悔してる」という投稿もあり、生活の不一致が離婚につながったケースも。

このような傾向から、SNS投稿の補正係数はやや高めに1.2に設定しました。

②Googleトレンドで見えた地域別・時期別の関心の偏り

Googleトレンドで「同棲しないで結婚」というキーワードを調べたところ、2004年以降、一定の関心を集め続けていることがわかりました。
特に注目されたのは2016年末。この時期に大きなピークがあり、その後も2021年以降に何度か検索が急増しています。

これは、SNSやメディアの影響、あるいは結婚を控えたカップルが直前に情報収集をしている可能性が考えられます。

また、地域別では茨城県と沖縄県が最大の検索スコアを記録しており、都市部よりも地方での関心が高いという特徴も見られました。

地方では「結婚=すぐ同居」という価値観が今も根強いことが背景にあると考えられます。

こうした地域性と時期的スパイクの傾向を踏まえ、やや控えめに0.95という補正係数を設定しました。

③SNSと検索行動から見えた同棲なし婚の実際

ここまでで設定したSNS補正係数1.2と、検索トレンド補正係数0.95を掛け合わせます。

1.2 × 0.95 = 1.14

この補正係数1.14を、推定した数値に反映してみましょう。

年間離婚件数:109,947件 × 1.14 ≒ 125,339件
年間離婚確率:125,339 ÷ 16,410,000(対象テーマ夫婦の数) ≒ 0.76%/年
離婚率:125,339 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 1.00/1000人

これを、1日あたりに直すと…

125,339 ÷ 365 ≒ 約343組/日

つまり、毎日およそ343組もの同棲せずに結婚した夫婦が離婚しているということになります。

また、この件数は、全国の年間離婚件数183,808件のうち、約68.2%にあたる割合です。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、「同棲せずに結婚した層」は約1.13倍の離婚リスクがあるといえます。

今後、同棲せず婚の離婚率はどうなる?未来シナリオ予測

① 離婚件数が2割減?結婚前のすり合わせが当たり前になった未来

まずは、結婚する前に「どんな生活をしたいか」「お金や家事はどう分けるか」を、ちゃんと話し合うカップルが増えた未来から想像してみましょう。

この場合、現在の年次離婚確率0.7638%から、毎年0.02ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.7638% − (0.02 × 10) = 0.5638%

この0.5638%の離婚確率を、該当する同棲せず婚層(1,641万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:16,410,000組 × 0.005638 ≒ 約92,520件/年
離婚率:92,520 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.74/1000人

1日あたりで見れば、約253件/日

ここで注目したいのは、現在の数値(125,339件/年)から約32,819件もの離婚が削減できるということです。

つまり、1日あたり約90組の夫婦が離婚を回避できる計算になります。

もし結婚前のすり合わせが当たり前になれば、離婚の危険性がぐっと減るんですね。

②離婚率1.27%に悪化?すり合わせ不足が招くネガティブな結末

一方、「なんとかなるでしょ」と結婚前の話し合いを省いたまま、結婚する人が増えていったとしたらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.02ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.7638% + (0.02 × 10) = 0.9638%

この0.9638%の離婚確率を、同じく該当する同棲せず婚層(1,641万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:16,410,000組 × 0.009638 ≒ 約158,160件/年
離婚率:158,160 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 1.27/1000人

1日あたりでは、約433件もの離婚が発生する計算です。

また、現在の数値(125,339件/年)と比較すると、1年で約32,821件も多くなり、10年で約328,210件の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、0.9638%は約1.44倍に相当します。

お互いの生活や価値観の理解が不十分だと、結婚後のすれ違いがどんどん広がっていってしまうんです。

③10年後の差は32万件?私たちにできる今日からの一歩

ポジティブな未来(0.5638%)とネガティブな未来(0.9638%)を比べると、たった10年で約0.4ポイント=約1.71倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.74/1000人 vs 1.27/1000人

年間離婚件数では92,520件と158,160件という、なんと約65,640件もの違いが生まれます。

この差は、「準備された結婚」と「準備不足の結婚」が生み出すんです。

実際にネット上では、「もっと話しておけばよかった」「生活の相性って想像以上に大事だった」といった声も見られます。

それを踏まえると、同棲なし婚の夫婦は以下のような工夫が必要です。

  1. 生活観のズレを見える化する
    離婚経験者の多くが「結婚してから気づいたズレ」に悩んでいました。 特に、金銭感覚や掃除・食事に対する価値観の差は、結婚生活に直結します。 あるカップルは、結婚前に「1週間の生活リハーサル」として、平日・休日のルーティンを実演してみたそうです。 結果、想像とのギャップが把握でき、結婚後のトラブルが激減したとのこと。
  2. 月1回の「嫌だったことノート」を共有する
    多いのは「気持ちを言葉にできず蓄積→爆発→離婚」というパターン。 ある夫婦は「嫌だったことノート」を毎月1回交換して、お互いの不満を冷静に把握する場を設けていました。 書いてから数日あけて読むことで、感情的にならずに済むという工夫も。 話し合いが苦手でも、書くことで対話ができるんです。
  3. 「なぜ結婚したのか?」の原点を定期的に話す
    ある投稿者は、「好きでたまらなかったはずなのに、理由もなく冷めてしまった」と語っていました。 気持ちは移ろうものですが、その変化を自覚し言語化することが大切です。 ある家庭では、年に1回「原点会議」と題して、プロポーズされた日の話や付き合いたての気持ちを語り合う時間を作っているとのこと。 原点を再確認することが、今のすれ違いを受け入れる土台になりますよ。
  4. 家事と役割のすり合わせ作業を取り入れる
    同棲を経ずに結婚した夫婦に多いのが、「役割分担の前提が違った」ことによる衝突です。 ある家庭では、結婚直後に「1週間のお互いの家事・行動を観察し合う」作業を取り入れました。 その後、「何を誰がいつやるべきか」を紙に書き出していく中で、初めて知る価値観の違いに気づけたそうです。 事前の同棲がなくても、結婚後の対話と実演でズレは埋められるんですね。

離婚の原因は、「同棲しなかったこと」ではありません。

大切なのは、生活を始める前に「すれ違いの芽」を見つけ、話し合える関係を築けるかどうか。

結婚前に少しだけ立ち止まることで、未来のかたちも変えられるはずです。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

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