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エホバの証人の離婚率は0.86倍?信仰格差がもたらす家庭崩壊

エホバの証人の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】

①エホバの証人とは?対象夫婦の定義

2024年時点で日本国内に住んでいるエホバの証人は、約21万4千人とされています(出典:JWJ-QS速報 2024年3月版)。

ここでは、そのうち「夫婦のどちらか、もしくは両方がエホバの証人である家庭」を対象夫婦として定義しました。

つまり、信者同士の結婚(同宗婚)も、片方だけが信者である結婚(混宗婚)もどちらも含めた推定です。

②日本におけるエホバ信者の結婚割合と夫婦数の推定

まずは、日本全国に「エホバの証人が関与する家庭」がどれくらいあるのかを見ていきます。

信者数は約21万4千人で、そのうち既婚者の割合は62.7%です(出典:JWJ-QS速報 2024年3月版)。

この割合をあてはめると、既婚の信者数はおよそ13万4,178人になります。

そして、「1組の夫婦に信者が1人または2人含まれる」と仮定すれば、家庭数は次の通りです。

13万4,178人 ÷ 2人 ≒ 約6万7,089組

この約6万7,089組が、どちらかがエホバの証人である夫婦ということになります。

③離婚件数は年間何件?調査データと仮定に基づくフェルミ推定

では、このうち年間どのくらいの家庭が離婚しているのでしょうか。

ここで参考にするのは、宗教二世110人を対象に行われた統計調査です。
この調査では、「両親が離婚または別居している」と答えた人が5.1%いました(出典:宗教二世110人アンケート結果|寺田匡宏「宗教二世と家族のリアル」)。

この5.1%を「10年間の累積リスク」とみなし、年率に直すとおよそ0.525%になります。

この確率に、先ほど推定した家庭数を掛け算すると以下のようになります。

6万7,089組 × 0.00525 ≒ 約352件/年

④ 全国平均と比べて高い?低い?エホバ家庭の離婚率の実際

推定によると、夫婦どちらかがエホバの証人である家庭の離婚は年間でおよそ352件となりました。

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

352 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.0028/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、エホバ家庭の離婚率は、全国平均のおよそ0.18%を占めているんですね。

また、年間352件という離婚件数は、1日あたりに換算するとおよそ0.96組の夫婦が離婚している計算です。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、エホバ関与家庭の離婚確率は0.53%で、およそ0.79倍のリスクです。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNSと検索データから見えたエホバ家庭と離婚の実態

① 「妻を信仰に奪われた」SNSに溢れる家族の苦悩と葛藤

「エホバの証人」に関する投稿323件を分析したところ、ポジティブ93件、ネガティブ143件、中立87件という内訳でした。

全体で最も多かったのは、家庭の悩みや葛藤をつづったネガティブな内容。

中でも「夫婦間の不和」や「信仰が原因の離婚」をテーマにした声が目立ちました。

「妻がエホバに夢中で会話がなくなった」「子どもに信仰を押しつけられ、家族が崩壊しかけている」といった切実な投稿も。

また、「母が信者になったことで父が家を出た」「輸血拒否をめぐって夫婦で大喧嘩になった」など、信仰が医療や家庭環境に与える影響も報告されています。

これらの傾向をふまえ、実際の離婚件数は「見えていないだけで、もっと多い」と仮定し、やや高めに1.155という補正係数を設定しました。

②Googleトレンドに見る検索される地域と関心度の差

Googleトレンドを分析すると、「エホバの証人」に関する検索数は多くはありませんが、一定の関心が継続的に存在していることがわかります。
また、「エホバ 結婚」「エホバ 夫婦生活」など、家庭に関するキーワードは検索数こそ少ないものの、特定の時期に関心が急上昇する傾向が見られました。

特に、社会的に注目される出来事やメディア報道があったタイミングで一時的に検索が急増する傾向があると考えられます。

こうした特徴から、常に話題になっているわけではないものの、関心を寄せている層が確実に存在し、問題が表面化した瞬間に検索が集中するといえるでしょう。

地域別で見てみると、愛媛県や山口県、沖縄県など、西日本の地方圏が検索上位を占めていました。

これは、信者数の地域分布や地元のつながりの強さ、親族間の影響力などが背景にあると考えられます。

この結果から、検索行動は離婚リスクにまでは直結しないと考え、やや低めに0.95という補正係数を設定しました。

③SNSと検索を掛け合わせて見えたエホバ家庭の離婚率

ここまでで設定したSNS補正係数1.155と、検索トレンド補正係数0.95を掛け合わせます。

1.155 × 0.95 = 1.09725

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

年間離婚件数:352件 × 1.09725 ≒ 386件
年間離婚確率:386 ÷ 67,089組 ≒ 0.58%/年
離婚率:386 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.0031/1000人

これを1日あたりに直すと、毎日およそ1.06組のエホバ関与家庭が、離婚に至っているということですね。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のうち、およそ0.21%にあたります。

さらに、既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、エホバ家庭の離婚確率は約0.86倍。SNSでネガティブな意見が目立つわりに、実際の数値としては、平均よりやや低いことがわかりました。

④なぜ離婚率は意外と低い?数字と印象のギャップを考察

SNSでは「家庭崩壊」「すれ違い」「離婚したい」といった深刻な投稿がたくさん見られます。

ですが、推定された離婚率は 1.36/1000人 と、全国平均(1.52)をわずかに下回る結果となりました。

この「印象よりも低い」というギャップには、いくつかの背景があると考えられます。

  • まず、SNSやニュースで広まりやすいのは、感情が強く動く「告発型」の話です。
    信仰や家族の話題は共感や怒りを引き起こしやすいため、どうしても目立ちますよね。
    その結果、「実際より多く見えてしまう」という錯覚が生まれやすくなるんです。
  • また、エホバの証人の信仰には「離婚のハードルが高い」という特徴があります。
    教義上、配偶者の不貞(性的な裏切り)がない限り、原則として離婚は認められていません。
    これは公式サイトにも明記されていて、信者が離婚を決断する際の大きなブレーキになっています。
  • 3つ目に、「信仰が同じ同士での結婚(同宗婚)」は、夫婦の安定につながるという研究も。
    たとえば、Wiley Online Libraryの研究では、宗教的に価値観が一致している夫婦は、離婚のリスクが明らかに下がるとされています。
    つまり、「もともとエホバ信者同士で結婚したカップル」は、価値観のズレが少なく、関係が安定しやすい。
    一方、「結婚後にどちらかが信者になった場合」は、急な価値観の変化ですれ違いが生じやすくなります。

こうした事情を踏まえると、離婚率としては「低めに出る」一方で、家庭内では様々な問題が存在していると考えるのが自然でしょう。

つまり、法的に離婚していなくても、「実質的に家庭が機能していない」。そんな静かな家庭崩壊が起きている可能性もあります。

だからこそ、表に見える数字だけで判断せず、見えにくい現実にも目を向けることが大切なのです。

今後エホバ家庭の離婚率はどうなる?未来シナリオ予測

① 離婚件数が大幅減?信仰と家庭のバランスが取れたポジティブな未来

まずは、信仰と家庭生活のバランスをうまく取ることが当たり前になった未来を思い描いてみましょう。

この場合、現在の年次離婚確率0.58%から、毎年0.05ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.58% − (0.05% × 10) = 0.08%

この0.08%の離婚確率を、該当するエホバ関与家庭数(6.7万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:67,089組 × 0.0008 ≒ 約54件/年
離婚率:54 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.00043/1000人

ここで注目したいのは、現在の数値(386件/年)から約332件もの離婚が減らせるということ。

つまり、1日あたり約0.91組の夫婦が、離婚を回避できるんです。

夫婦が信仰ではなく、家庭にしっかり向き合えていれば、もっと穏やかな未来も想像できるんです。

②離婚確率1.28%に上昇?信仰を優先した悪化シナリオ

一方、家庭より信仰を優先し、すれ違いが積み重なっていく状況が続いたとしたらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.07ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

0.58% + (0.07% × 10) = 1.28%

この1.28%の離婚確率を、同じく該当するエホバ関与家庭数(6.7万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:67,089組 × 0.0128 ≒ 約859件/年
離婚率:859 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.00687/1000人

1日あたりでは、約2.35件もの離婚が発生する計算です。

また、現在の補正後数値(386件/年)と比較すると、1年で約473件も多くなり、10年間で4,730件以上の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、1.28%は約1.91倍に相当。

信仰を優先したり家族に押しつけてしまうと、家庭崩壊につながる未来が待っているのです。

③10年後の差は2倍以上?いま私たちにできる支援と対話の一歩

ポジティブな未来(0.08%)とネガティブな未来(1.28%)を比べると、たった10年で約1.2ポイント=16倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.00043/1000人 vs 0.00687/1000人

年間離婚件数では54件と859件という、805件もの違いです。

この差は、家庭の中で信仰をどのように扱うかによって大きく変わる可能性があります。

実際にネット上では、こんな工夫をしている夫婦がいました。

  • 家族で信仰・生活・未来について話す時間をつくる
    ある家庭では、毎月1回、家族で「生活方針」や「子どもの将来」「宗教について思うこと」などを話す時間を設けました。最初は意見がぶつかることもありましたが、徐々に相手の価値観や優先順位を知るきっかけになり、感情的な衝突が減ったそうです。
  • 信仰の自由と家庭のルールを切り分けて文書化する
    信仰そのものを否定するのではなく、「家庭として守るべきルール」と「個人の自由領域」を切り分ける工夫が効果的だった家庭もあります。たとえば「日曜日の布教は自由だが、家族行事には必ず出席する」といったルールを文書化しておくと、超えてはいけないラインをお互いに理解しやすくなります。
  • 第三者(カウンセラーや信頼できる親族)を間に入れる
    直接の話し合いでは感情がぶつかってしまうという家庭では、第三者を交えて話し合いすることで冷静に整理ができたという例もあります。宗教の話題は特に個人の核心に触れるため、他者の視点が入ることで、両者が歩み寄るきっかけが生まれやすくなるようです。
  • 信者本人に疑問を持たせる
    長年エホバの証人の信者である相手に、自発的な疑問を持たせるのは簡単ではありません。しかし、ある家庭では、夫に匿名で「エホバの教義の矛盾点」をまとめた資料を郵送し、徐々に意識の変化が見られたといいます。こうした資料は背教文書と呼ばれることもありますが、正面から向き合っても反発される場合には、匿名で外部のサイト情報を印刷し、郵送やメール便で送るといった方法も一つの手段です。ただし、受け取り拒否や逆効果のリスクもあるため、慎重に状況を見ながら判断する必要があります。
  • 学ぶフリをして矛盾に気づかせる
    ある家庭では、妻が「聖書の勉強をしてみたい」と夫に提案し、家庭で一緒に聖書を読みながら、「この部分ってちょっと変じゃない?」と自然に矛盾点を共有していったそうです。一方的に否定せず、「一緒に学ぶ」スタンスを取ることで、相手も心を閉ざさずに対話を続けやすくなったといいます。この方法を成功させるには、事前に矛盾点や論点を自分で学んでおくことが大切です。
  • 脱会者が書いた本を共有する
    特に効果的だと言われるのが、かつて統治体のメンバーであったレイモンド・フランズ氏による著書『良心の危機』です。信者の中でも高い影響力を持つこの書籍は、論理的にエホバの教義の問題点を指摘しており、読者の思考に揺さぶりを与える内容になっています。中には、「この本を一緒に読まないなら、離婚を真剣に考える」とパートナーに伝えたという家庭も。

信仰すること自体は、誰でも自由です。

でも、その信仰が家族との関係を壊したり、相手に強く押しつけられるようになってしまったら、それはもう別の問題。

価値観の違いを乗り越えるには、しっかり話し合いルールを決めることが大切ですよ。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

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