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立ち会い出産は離婚率1.54倍?感動のはずが後悔になる理由

立ち会い出産夫婦の離婚率、実は0.107/1000人と推定されています。

これは全国の離婚件数の約7.3%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の約1.54倍なんです。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

立ち会い出産夫婦の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】

① 立ち会い出産とは?対象となる夫婦の定義

ここでは、経腟分娩で立ち会いが可能だったケースを前提とし、出産後0〜2歳の子どもがいる夫婦を対象に分析します。

つまり「夫の立ち会い出産を経験し、かつ現在子育て初期(0〜2歳)の夫婦」ということです。

この時期は、育児負担や家事分担、価値観の違いが表面化しやすく、夫婦関係に大きな影響を与えがち。

離婚リスクが高まりやすいタイミングだといえるでしょう。

② 立ち会い出産経験者の割合は?全国推定値を試算

まずは、立ち会い出産を経験した夫婦がどのくらいの割合なのか計算してみましょう。

日本全体の既婚カップル総数は2,735万組です(厚生労働省『国民生活基礎調査 2023』。

年間出生数は、ここ数年の平均に近い値として73万件とします。

ここから、子どもが0〜2歳の期間に該当する夫婦の割合を計算すると...

(3年 × 73万) ÷ 2,735万 ≈ 8.0%

日本では、夫が出産に立ち会った割合は59%です(厚生労働科学研究 2013年)。

よって、子どもが0~2歳かつ夫が出産に立ち会った夫婦の割合は...

8.0% × 0.59 ≈ 4.7%

これを日本の夫婦数に当てはめると....

2,735万組 × 4.7% ≈ 約129万組

つまり、立ち会い出産を経験し、現在0〜2歳児を育てている既婚夫婦は、全国でおよそ129万組と推定されます。

③ 離婚確率は何%?立ち会い夫婦の年間離婚件数を推計

この約129万組の中で、1年間にどれくらいの離婚が発生しているのか計算します。

全国の年間離婚件数は、183,808組です(厚労省『人口動態統計 2023年』)。

そのうち40%が子ども0〜2歳(3年間)の時期に起こっています(厚労省『全国ひとり親世帯等調査 2016年』)。

つまり、子どもが0〜2歳期の離婚件数は...

183,808 × 0.40 ≈ 73,523組

一方、この時期に該当する夫婦の総数は219万組(3年 × 73万)です。

つまり、0~2歳の3年間での累積離婚確率は...

73,523 ÷ 2,190,000 ≈ 3.36%

これを年換算すると、年間離婚確率は...

1 - (1 - 0.0336)^(1/3) ≈ 1.13%/年

これを立ち会い出産の夫婦数に当てはめると...

129万組 × 1.13% ≈ 約14,624件/年

④ 推定結果と全国平均の離婚率を比較

推定によると、立ち会い出産を経験した夫婦の離婚は、年間でおよそ14,624件。

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。

14,624 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.117/1000人

一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、この層の離婚率は全国平均のおよそ7.7%にあたります。

また、年間14,624件という離婚件数は、1日あたりに換算するとおよそ40組の夫婦が離婚している計算です。

既婚層全体の年間離婚確率(0.67%)に対し、「立ち会い出産夫婦」の離婚確率は1.13%で、およそ1.69倍のリスクがあるということになります。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNSと検索データから見えた立ち会い出産離婚の実態

① 「立ち会って後悔」VS「絆が深まった」SNSの声から見えた傾向

SNSで「夫の立ち会い出産」に関する投稿を分析してみると、ポジティブな内容が149件、ネガティブな内容が130件と、ほぼ拮抗しています。

このテーマは、夫婦関係や準備の有無などによって、真逆の感情につながりやすいのが特徴です。

ポジティブな投稿では、「夫がそばにいて安心できた」「感動を一緒に味わえた」といった前向きな声が多く見られます。

一方で、「立ち会い中の言動に幻滅した」「あの一言が一生忘れられない」といった後悔の声も同じくらい投稿されていました。

つまり、立ち会い出産は「一生の宝物」になることもあれば、「大きなわだかまり」になってしまうこともある、感情の振れ幅が大きいテーマなんですね。

投稿の傾向からは、一概には離婚リスクが高いとは言えないため、やや低めに0.966というSNS補正係数を設定しました。

② Googleトレンドで見えた話題になる瞬間と地域差

「立ち会い出産」というキーワードの検索数は、2009年頃から徐々に増え、2011年以降は中程度の関心が続いています。2013年や2018年には、一時的な検索上昇がありました。

これらのタイミングでは、テレビ番組やSNSで話題になった影響も考えられます。

また、検索されている地域は、上位には高知・香川・山口・徳島・島根など、中国・四国地方の県が並び、都市部よりも地方での関心が高いことがわかりました。

この傾向は、病院の立ち会い方針や情報の届きやすさなどが影響している可能性があります。

こうした地域の偏りを考慮し、検索傾向の補正にはやや低めに0.94という係数を設定しました。

③投稿と検索データを掛け合わせて見えた実態

ここまでで設定したSNS補正係数0.966と、検索トレンド補正係数0.94を掛け合わせます。

0.966 × 0.94 = 0.90804

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

年間離婚件数:14,624件 × 0.90804 ≒ 13,279件
年間離婚確率:13,279 ÷ 1,292,000組 ≒ 1.03%/年
離婚率:13,279 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.106/1000人

そして、1日あたりに直すと…

13,279 ÷ 365 ≒ 約36組/日

つまり、毎日およそ36組の夫婦が、「立ち会い出産」を経て離婚に至っているということですね。

また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ7.2%にあたります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、「立ち会い出産夫婦」層は約1.54倍の離婚リスクがあるんです。

このままでは離婚率がさらに上昇?未来シナリオで読み解く10年後

① 離婚件数が半減?夫婦支援・準備が進んだ場合のポジティブ未来

まずは、立ち会い出産に関する指導や夫婦間の話し合いが当たり前になり、出産をきっかけに絆が深まる前向きな未来から想像してみましょう。

この場合、現在の年次離婚確率1.03%から、毎年0.05ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

1.03% − (0.05% × 10) = 0.53%

この0.53%の離婚確率を、該当する立ち会い出産夫婦数(129.2万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:129.2万組 × 0.53% = 約6,848件/年
離婚率:6,848 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.055/1000人

1日あたりで見れば、約19件/日です。

ここで注目したいのは、現在の数値(13,279件/年)から約6,431件もの離婚が削減できるということです。

つまり、1日あたり約18組の夫婦が、離婚を回避できる計算になります。

立ち会い出産がすれ違いの原因ではなく、夫婦の絆を深めるイベントになるなら、離婚リスクはここまで小さくできるんです。

② 離婚確率1.5%超に上昇?理解不足と放置が招くネガティブ未来

一方で、立ち会い出産に関する準備が不十分で、「立ち会ったことで心の距離ができた」「夫の言動がショックで不満が溜まっていく」、そんな状況が続いたとしたらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.05ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

1.03% + (0.05% × 10) = 1.53%

この1.53%の離婚確率を、同じく該当する立ち会い出産夫婦数(129.2万組)に当てはめてみると、

年間離婚件数:129.2万組 × 1.53% = 約19,788件/年
離婚率:19,788 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.158/1000人

1日あたりでは、約54件の離婚が発生する計算です。

また、現在の数値(13,279件/年)と比較すると、1年で約6,509件も多くなり、10年で65,000件超の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、1.53%は約2.28倍に相当します。

寄り添えないままの立ち会い出産が、夫婦のすれ違いを何倍にも拡大させてしまう...そんな未来も現実に起こりうるのです。

③ 10年後の幸福格差と、今すぐできる後悔しない立ち会いの準備

ポジティブな未来(0.53%)とネガティブな未来(1.53%)を比べると、たった10年で約1.0ポイント=約2.9倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.055/1000人 vs 0.158/1000人

年間離婚件数では6,848件19,788件という、なんと12,940件もの違いが生まれます。

この差は、立ち会い出産に向き合う準備の違いが生んだものです。

実際にネット上では、「準備しておけばよかった」「事前の話し合いで救われた」という声も見られます。

  • 「立ち会いの目的」と「期待する行動」を事前にすり合わせる
    ある家庭では、出産2か月前から「立ち会う目的」や「どんな支え方が理想か」を夫婦で話し合っていました。その中で、医師の説明にも夫が同席するようになり、当日の立ち会いも落ち着いて対応できたそうです。目的と言動のすり合わせが、すれ違いの予防につながったとのこと。
  • 「見せたくない気持ち」や「立ち会わない選択肢」も尊重する
    「見られたくない」「怖がるかもしれない」「性の目で見られなくなるのが不安」など、立ち会いに迷う声は多くあります。ある家庭では「血が見える位置には立たないで」と事前に伝えたり、別の家庭では立ち会いをあえて選ばないことで夫婦関係を守ったそうです。立ち会いの有無に正解はなく、尊重が鍵になります。
  • 「産後もラブラブ」を見越して性の価値観を共有する
    ある女性によると「Hできなくなった話は本当にある」との声も。一方で、夫婦関係が変わらなかった家庭では「性に対する価値観や不安を妊娠中から共有していた」といいます。産後の性生活までを視野に入れた会話が、大切なんですね。
  • ショックやパニックに備えて「向き・位置・距離感」を調整する
    男性側からは「ショックで立ちくらみ」「気が狂いそうになった」という声も見られました。ある家庭では夫が血に弱いタイプだと自覚し、立ち会うものの頭側でサポートに徹する方法を選択。物理的な距離感の調整が、精神的にも安心につながったとのこと。
  • 経験者(第三者)からのリアルな声を夫婦で聞く機会を持つ
    「女性側からこうしてほしかったを伝えるのが大事」との体験談も。ある家庭では、職場の女性同僚の話を夫が聞いたことで、初めて出産の大変さに実感が湧いたそうです。信頼できる他者の視点を交えることで、夫婦の理解が一気に深まったといいます。
  • 医師・助産師との三者面談で客観的な情報共有を
    ある産院では、出産前に医師・助産師と夫婦で三者面談を行う機会を設けていました。その場で立ち会い時の注意点や「やってほしくない行動」などを共有することで、夫の理解が一気に深まり、当日も落ち着いて対応できたそうです。ただし、三者面談を行っていない施設も多いため、そうした場合は事前に質問できるタイミングを聞いておいたり、立ち会いに関する資料を自宅で夫婦で一緒に読む時間を設けるだけでも、同様の効果が得られるという声がありました。

立ち会い出産が良い体験になるかは、当日のその場ではなく、「それまでに何を話し合えたか」で決まるのかもしれません。

立ち会う・立ち会わない、そのどちらの選択にも愛が込められているはずです。

10年後のふたりが「よかったね」と笑える未来をつくるために、今できる準備を始めてみましょう。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

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