本ページはプロモーションが含まれています 離婚率のフェルミ推定

DINKs夫婦は離婚率3.8倍?2人だけの関係が壊れる理由

dinksの離婚率

DINKsの離婚率、実は0.23/1000人と推定されています。

これは全国の離婚件数の約15.1%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の約3.8倍なんです。

その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。

DINKsの離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】

①DINKsとは?子どもを持たない共働き夫婦の定義

DINKs(ディンクス)は、“Double Income, No Kids”の略語で、「共働きで、あえて子どもを持たない選択をした夫婦」を指します。

法律上の定義や統計的な明文化はありませんが、「意図的に子どもを持たない」「共働きである」という2つの条件が、一般的な子なし夫婦との違いです。

ここでは、厚生労働省や国立社会保障・人口問題研究所のデータをもとに、「長期的に子どもがいない夫婦」のなかから、「共働き」かつ「選択的に子を持たない層」をDINKsとみなして推定を行っていきます。

②DINKs夫婦はどれくらいいる?該当世帯の割合を推定

まず、日本にいる既婚カップルは2,735万組です(厚生労働省『国民生活基礎調査(2023年)』)。

そのうち、長期的に子どもがいない夫婦の割合は6.2%とされています(国立社会保障・人口問題研究所『第15回出生動向基本調査』)。

ただしこの中には、不妊や晩婚、すでに子が独立した世帯も含まれます。

そのため、「意図的な選択」と「共働き」の条件を満たすDINKsは、さらに限られた層になります。

そこで今回の推定では、次のような前提を置きました。

  • 女性の就業率が60〜70%台であること
  • 「DINKsを望んで選択した」割合が5〜7割ほどとされていること
  • 完全な選択的DINKsは少数でも、共働きとの重複は多いこと

これらを総合し、現実的かつやや保守的に、「子なし夫婦のうちDINKsが占める割合=67%(3組に2組)」と仮定しました。

すると、

DINKs割合 ≒ 6.2% × 0.67 ≒ 4.15%
DINKs世帯数 ≒ 2,735万組 × 4.15% ≒ 約113.4万組

つまり、日本には約113.4万組のDINKs夫婦がいると推定されます。

③離婚件数と確率をフェルミ推定

DINKsに限定した離婚データは存在しませんが、「子どもがいない夫婦全体」の年間離婚確率は2.45%/年と推定されています(厚生労働省・国勢調査より)。

DINKsもこの層に近いため、今回はこの2.45%をDINKsの代理値として使用します。

すると、年間の離婚件数はこうなります。

DINKs離婚件数 ≒ 113.4万組 × 2.45% ≒ 27,800件/年

④DINKsの離婚率は全国平均の何倍?その差を見てみよう

推定によると、DINKs層の離婚は年間でおよそ27,800件となりました。

これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみると...

27,800 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.22/1000人

一方で、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。

つまり、DINKs層の離婚率は全国平均のおよそ15.1%を占めているんですね。

また、年間27,800件という離婚件数は、1日あたりに換算すると約76組の夫婦が離婚している計算になります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、DINKsの離婚確率は2.45%で、約3.7倍のリスクがあるんです。

ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。

次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。

SNS・検索から見えてきたDINKs離婚の現実

①「自由すぎて孤独?」SNSで見られたリアルな声

DINKsに関するSNS投稿572件を分析してみると、ポジティブが243件、ネガティブが197件、中立が132件でした。

全体ではややポジティブな意見が多いものの、「偏見や違和感を抱かれている」と感じる投稿も多く、 DINKsという価値観が完全には受け入れられていないことがうかがえます。

投稿の話題としては「夫婦関係の距離感の違い」「子育て層からの視線」「老後の孤独」といった内容が目立ちました。

また、実際の投稿には、「自由で気楽」「経済的に安定」というポジティブな意見がある一方で、 「孤独感がある」「周囲の理解がない」「子育て層との温度差」といった不安や悩みも多く見られます

こうしたSNSの二面性をふまえ、SNSの補正係数はやや低めに0.95を設定しました。

②「DINKs」への関心は上昇中?Googleトレンドで見る注目度

Googleトレンドで「dinks」や「dinks 夫婦」というキーワードを調べたところ、検索ボリュームは安定しており、特に2018年以降はじわじわ増加傾向にあります。

「dinks」という単語そのものは、東京都・神奈川県・熊本県・千葉県・京都府など、都市部を中心に安定した検索が見られました。

ただし、「dinks 夫婦」という具体的な検索語では、検索ボリュームがごくわずか。

全体的には、DINKsに対する注目度は右肩上がりであり、都市部を中心に認知と関心が高まってきているといえます。

この結果をふまえ、検索の補正係数はやや高めに1.14を設定しました。

③データと投稿から浮かび上がる、DINKs離婚の背景と特徴

ここまでで設定したSNS補正係数0.95と、検索トレンド補正係数1.14を掛け合わせます。

0.95 × 1.14 = 1.083

この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。

年間離婚件数:27,800件 × 1.083 ≒ 30,107件
年間離婚確率:30,107 ÷ 1,134,000組 ≒ 2.66%/年
離婚率:30,107 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.24/1000人

これは、1日あたりに直すと…

30,107 ÷ 365 ≒ 約83組/日

つまり、毎日およそ83組のDINKs夫婦が離婚に至っているということになります。

また、この件数は、全国の年間離婚件数183,808件のうち、約16.4%にあたります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、DINKs層は約3.8倍の離婚リスクがあるんです。

今後DINKsの離婚率はどうなる?10年後を見据えた未来シナリオ

① 離婚が5000件超減?理解と支援が進んだ場合の未来

たとえば、DINKsという選択がもっと当たり前に受け入れられ、子どもを持たない夫婦ならではの悩みに向けたサポートも増えていく...そんな未来を想定してみましょう。

この場合、現在の年次離婚確率2.66%から、毎年0.05ポイントずつ下がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

2.66% − (0.05 × 10) = 2.16%

この2.16%の離婚確率を、該当するDINKs世帯数113.4万組に当てはめてみると、

年間離婚件数:113.4万組 × 2.16% = 約24,494件/年
離婚率:24,494 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.20/1000人

1日あたりで見れば、約67件/日

ここで注目したいのは、現在の数値(30,107件/年)から約5,613件もの離婚が削減できるということです。

つまり、1日あたり約15組の夫婦が離婚を回避できる計算になります。

理解や支援が進めば、DINKs夫婦でも別れない選択をしやすくなるんですね。

② 離婚確率が3.6%超に?孤立とすれ違いが進んだ場合の悪化シナリオ

もしも、DINKsならではの課題である、将来に対する考え方の違いなどが話し合われないまま放置されてしまったら...

また、周囲の理解も乏しく、ふたりで抱え込むような状態が続いてしまったらどうなるでしょうか。

このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.1ポイントずつ上がっていくと仮定します。

すると、10年後には…

2.66% + (0.1 × 10) = 3.66%

この3.66%の離婚確率を、同じく該当するDINKs世帯数113.4万組に当てはめてみると、

年間離婚件数:113.4万組 × 3.66% = 約41,504件/年
離婚率:41,504 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.33/1000人

1日あたりでは、約114件もの離婚が発生する計算です。

また、現在の数値(30,107件/年)と比較すると、1年で約11,397件も多くなり、10年で11万件超の差が生じる可能性もあります。

そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、3.66%は約5.5倍に相当。

夫婦の繋がりが弱まりやすいというDINKsの特性が、放置されれば深刻な結果につながるのかもしれません。

③ 10年後に生じる差と、いま私たちができること

ポジティブな未来(2.16%)とネガティブな未来(3.66%)を比べると、たった10年で1.5ポイント=約1.7倍もの離婚確率の差がつくことになります。

離婚率も、0.20/1000人 vs 0.33/1000人

年間離婚件数では24,494件と41,504件という、なんと17,010件もの違いが生まれます。

この差は、支援や環境の問題だけでなく、「会話がない」「気持ちのズレに気づかない」といった、夫婦のすれ違いの積み重ねから生まれてしまうんです。

実際にネット上では、DINKsとして暮らす中で感じた悩みや工夫の共有が増えており、 以下のような対策で「対話の時間を作ってよかった」「気まずさに向き合ったら、逆に関係がラクになった」という声も見られます。

  1. 性の不一致について定期的に話す
    ある夫婦は、何年も性に関する話題を避けてきたそうです。ですが「月に1度だけでも気持ちを話す日を決めよう」とルールをつくったことで、知らず知らずに溜まっていた不満が少しずつやわらいでいったとか。話せるようになるだけでも、気持ちはだいぶ違うようです。
  2. 子どもを持たない理由を確認し合う
    「最初は同意していたはずが、気づけばどちらかの気持ちが変わっていた」というケースは多いです。ある夫婦は、年に1回だけでも「今どう思ってる?」と確認し合う時間を意識的に持つことで、大きなすれ違いを回避できたとのこと。
  3. 「自由=孤独」にならない工夫をする
    DINKs夫婦は自由な時間がある反面、人との関わりが減って孤独を感じやすいという声も。ある家庭では、「週1回は友人と食事する日を決める」「月1回は夫婦で新しい体験をしてみる」など、小さなつながりの習慣を大切にしているそうです。
  4. 見て見ぬふりを防ぐ「離婚予防ノート
    ある夫婦は、「今の不満って、放っておくとどうなる?」という気づきを得るために、定期的に“離婚予防ノート”をつけているそうです。ちょっと大げさに感じるかもしれませんが、書いてみると「これはちゃんと話そう」と思えるきっかけになるようです。

「子どもがいない分、いつでも離婚できる」という前提があるからこそ、 「無理にあわせなくていい」「自分らしくいられる」と感じられるDINKs夫婦もいます。

でもその自由は、裏を返せば「つながりを意識しないと、自然に離れていく関係」でもあります。

だからこそ、心地よく暮らしていくためには、ちゃんと対話することと、一緒に何かを感じる時間が大切なのかもしれません。

10年後、あなたがその人と一緒に笑っていられるかは、 「離れられる関係」だからこそ、大事にできる今の過ごし方にかかっています。

  • この記事を書いた人

桑子

ASD傾向のある夫との関係に悩んだ経験から、「離婚率」への関心を持つように。フェルミ推定を使いながら、数字やロジックで不安を少しでも和らげられる情報を発信しています。

-離婚率のフェルミ推定
-,