バツイチ男性×初婚女性の離婚率、実は0.015/1000人と推定されています。
これは全国の離婚件数の約0.99%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の約5.15倍なんです。
その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。
バツイチ男性と初婚女性の離婚率をフェルミ推定で算出してみた【独自分析】
①「バツイチ男性×初婚女性」はどんな夫婦?
ここでいう「バツイチ男性×初婚女性」とは、男性に過去の離婚歴があり、女性が初婚というカップルのことを指します。
それでは、この組み合わせの夫婦が日本にどれくらいいるのか見ていきましょう。
②この夫婦、どれくらいいる?割合を推定してみた
まず、日本で1年間に結婚する夫婦の数はおよそ50万組(504,878組/厚労省「人口動態統計(2022年)」)です。
そのうち、再婚者を含むカップルは約30%(内閣府「結婚と家族をめぐる基礎データ(2022年)」)とされています。
さらに、その中でも「夫:再婚、妻:初婚」のパターンは約35%(ニッセイ基礎研究所「ニッポンの再婚」)。
この比率で計算すると、1年間に新しく生まれる「バツイチ男性×初婚女性」の夫婦は次のようになります:
504,878組 × 30% × 35% ≒ 53,012組/年
③離婚確率は2.5%?仮定と推定から見える年間件数
この組み合わせの夫婦が10年以内に離婚する確率は、いくつかの研究や報道によると22〜28%とされています。
たとえば、Saito (2023)「Remarriage Stability in Japan」では22%、読売新聞(2023年10月)では28%という専門家の推定が紹介されています。
この累積離婚率を「年あたりの確率」に換算するために、次の式を使います:
年率 = 1 − (1 − 累積離婚率)^(1/10)
・22%の場合:1 − (1 − 0.22)^(1/10) ≒ 年2.2%
・28%の場合:1 − (1 − 0.28)^(1/10) ≒ 年2.9%
その中間である「2.5%」を、今回の年間離婚確率とします。
すると、1年あたりの離婚件数は:
53,012組 × 2.5% ≒ 約1,325件/年
④全国平均の何倍?離婚率を他の夫婦と比較してみた
推定によると、「バツイチ男性×初婚女性」の離婚は、年間でおよそ1,325件となりました。
これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。
1,325 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.011/1000人
一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。
つまり、この層の離婚率は、全国平均のわずか0.72%程度なんですね。
また、年間1,325件という離婚件数は、1日あたりに換算するとおよそ3.6組の夫婦が離婚している計算。
毎日3〜4組が離婚していると聞くと、ぐっと現実味が増してきます。
さらに、全国の既婚カップルの年間離婚確率は0.67%。
それに対して、バツイチ男性×初婚女性層の離婚確率は2.5%/年です。

つまり、「バツイチ男性×初婚女性」夫婦は、全国平均の約3.73倍という高い離婚リスクを抱えていることになります。
SNSと検索データから見えた再婚カップルのリアル
①「やっぱり不安…」SNSにあふれるリアルな声とは
SNSで「バツイチ男性×初婚女性」に関する投稿を分析してみると、ややネガティブ寄りの傾向がありました(ネガティブ:71件、ポジティブ:57件)。
特に目立ったのが、「養育費を払わずに再婚する男性」や「時間差一夫多妻制」「未婚男性が余る」など、状況に対する不満の声です。
また、「若い女性と再婚を繰り返す中高年男性」や「自分の娘と同じ年齢の相手と再婚することへの違和感」といった年齢や関係性への指摘も多数見られました。
一方で、「信頼を大切にして再出発できた」「前の結婚で学んだからこそ今がある」といったポジティブな投稿も一定数存在しています。
とはいえ、全体的には「不安」や「疑念」を中心とした投稿が多く、再婚カップルに向けられる視線の厳しさが感じられますね。
こうした投稿傾向を踏まえ、SNS補正はやや高めに1.15という補正係数を設定しました。
②注目されるのは地方?Googleトレンドで見る関心の偏り
Googleトレンドで「バツイチ男性 初婚女性」というキーワードの推移を調べると、2011年に一度大きな関心の高まりが確認できました。
その後は2016年ごろから安定して検索され続けており、直近まで大きな上下はないものの、関心の持続が見てとれます。
10年以上にわたって継続的な検索ニーズがあることは、このテーマが一過性の流行ではないということ。
ただし、検索ボリューム自体はそこまで多くはなく、関心はごく一部の層に限られている印象です。
地域別で見ると、鹿児島県と福井県がスコア100、次いで熊本・愛媛・山口がスコア50と、地方の注目度が高い結果に。
とくに南九州や北陸・四国エリアでの関心が強く、「地方密着型のテーマ」であると言えるでしょう。
地方では、再婚がより身近で、現実的な選択肢として受け入れられているのかもしれません。
たとえば、総務省の国勢調査では、地方ほど未婚率が高まっている傾向が見られます。
そうした中で、「再婚」が生涯のパートナーを見つけるための、ひとつの選択肢になってきている背景があるのです。
このような状況を踏まえ、検索トレンド補正もやや高めに1.2という係数を設定しました。
③感情と検索を掛け合わせて見えた“隠れた傾向”
ここまでで設定したSNS補正係数1.15と、検索トレンド補正係数1.2を掛け合わせます。
1.15 × 1.2 = 1.38
この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。
年間離婚件数:1,325件 × 1.38 ≒ 約1,828件
年間離婚確率:1,828 ÷ 53,012(対象テーマ夫婦の数) ≒ 約3.45%/年
離婚率:1,828 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 約0.015/1000人
そして、1日あたりに直すと…
1,828 ÷ 365 ≒ 約5組/日
つまり、毎日およそ5組の夫婦が、「バツイチ男性×初婚女性」という組み合わせで離婚に至っているということですね。
また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ1.0%にあたります。
既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、この層の離婚リスクは約5.15倍。

つまり、再婚×初婚という関係性には、数字以上の大きなハードルがあるのかもしれません。
今後「バツイチ男性×初婚女性」の離婚率はどうなる?2つの未来シナリオ
①離婚件数が激減?制度支援が進んだときのポジティブ未来
まずは、再婚家庭への支援制度が整い、前婚の影響を理解し合うのが当たり前になっていく未来を想像してみましょう。
この場合、現在の年次離婚確率3.45%から、毎年0.3ポイントずつ下がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
3.45% − (0.3 × 10) = 0.45%
この0.45%の離婚確率を、該当する「バツイチ男性×初婚女性」世帯数(53,012組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:53,012組 × 0.0045 ≒ 約239件/年
離婚率:239 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 約0.002/1000人
1日あたりで見れば、約0.65件/日。
ここで注目したいのは、現在の数値(1,828件/年)から約1,589件もの離婚が削減できるということです。
つまり、1日あたり約4.4組の夫婦が、離婚を回避できる計算になります。

「再婚だからこそ丁寧に向き合う」文化が育てば、夫婦が互いを思いやりながら歩んでいく未来に繋がるんです。
②離婚確率6.45%に上昇?支援が追いつかないネガティブシナリオ
一方で、制度や周囲の理解が不十分なまま、再婚夫婦のすれ違いが深まっていったらどうでしょうか。
このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.3ポイントずつ上がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
3.45% + (0.3 × 10) = 6.45%
この6.45%の離婚確率を、同じく該当する「バツイチ男性×初婚女性」世帯数(53,012組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:53,012組 × 0.0645 ≒ 約3,421件/年
離婚率:3,421 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 約0.027/1000人
1日あたりでは、約9.4件の離婚が発生する計算です。
また、現在の補正後数値(1,828件/年)と比較すると、1年で約1,593件も多くなり、10年で1万5,000件超の差が生じる可能性もあります。
そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、6.45%は約9.63倍に相当します。

支援や対話が進まない状況が続けば、 「また離婚」という負のスパイラルが、静かに拡大していくかもしれません。
③10年後また離婚?バツイチ再婚夫婦の未来と今できる備え
ポジティブな未来(0.45%)とネガティブな未来(6.45%)を比べると、たった10年で約6ポイント=14.3倍もの離婚確率の差がつくことになります。
離婚率も、0.002/1000人 vs 0.027/1000人。
年間離婚件数では239件と3,421件という、なんと3,182件もの違いが生まれます。
この差は、「また同じことの繰り返しにしない」ための、小さな行動の積み重ねかもしれません。
実際にネット上では、こんな具体的な工夫が見つかりました。
- 「前の家庭ではこうだった」を封印するルールを作る
「前の妻はもっと家事ができた」と言われ続けた女性が深く傷ついたという投稿が複数見られました。ある家庭では、「前の話題はしない」というよりも、「今の暮らしを基準に話す」を意識し、比較でなく共有で会話を進めるようにしたことで、初婚側の安心感が増したそうです。 - 子ども・元妻との関係性は文書化して共有する
「元妻との連絡が頻繁で不信感が募る」という声も多く見られました。ある夫婦では、元妻とのやり取りの範囲・頻度・面会ルールをあらかじめ夫婦で文書化し、都度報告することで、初婚女性の不安を減らしたといいます。 - 「お金の使い道」の優先順位を紙に書き出す
再婚世帯では「養育費」や「連れ子の進学費」などがある場合、初婚女性との金銭感覚がズレやすい傾向があります。ある家庭では、夫婦それぞれが「お金をかけたいことTOP5」を紙に書き出し、すり合わせの時間を定期的に設けることで、「なんでそんなことに?」という衝突を減らす効果があったそうです。 - 初婚側の「結婚=夢」の期待に寄り添う
「初婚で期待していた特別感が、何もなかった」と失望する女性の声も少なくありませんでした。ある男性は、「プロポーズや記念日などを前の結婚で済ませた感覚だった」と振り返り、やり直しで記念日を祝い直したそうです。「初婚にとってはすべてがはじめて」という視点を持つことが、信頼構築につながったとのことです。 - 夫婦で「過去を振り返らない日」をつくる
再婚では、つい前婚の失敗やトラウマに引きずられる場面も少なくありません。ある夫婦は「今日は過去を語らない日」として、月に1回未来の話だけをする日を決めたそうです。旅行の計画や老後の暮らしなどを語る時間が、夫婦関係の原動力になったといいます。
「また離婚になりそう…」という不安の正体は、過去の影や将来への漠然とした不満かもしれません。

10年後のあなたの未来は、「今日の小さな工夫」で変えられますよ。