ダブルベッド夫婦の離婚率、実は0.147/1000人と推定されています。
これは全国の離婚件数の約10%。年離婚確率で見ると、なんと全国平均の約3分の1なんです。
その根拠と背景を、以下で詳しく解説していきますね。
ダブルベッド夫婦の離婚率をフェルミ推定してみた【独自分析】
① ダブルベッド夫婦とは?対象となる夫婦の定義
ここでいう「ダブルベッド夫婦」とは、同じ部屋で、1つのベッドを一緒に使って眠っている既婚カップルのことです。
具体的には「ダブル・クイーン・キングサイズのベッドで一緒に寝ている」夫婦を指しており、「同室だけど別のベッド」や「寝室を分けている」場合は含みません。
② 日本におけるダブルベッド夫婦の割合を推定する
まず、日本全国にいる既婚カップルの数は約2,735万組です(厚生労働省『国民生活基礎調査 2023年』より)。
「ダブルベッドで一緒に寝ている」割合については、以下のような調査結果があります。
・ライフアカデミア調査(2021年):33.8%
・オウチーノ総研調査(2016年):33.5%
これらの平均をとり、33.7%と仮定すると...
2,735万組 × 33.7% ≒ 922万組
つまり、日本には約922万組の「ダブルベッド夫婦」がいると考えられます。
③ 仮定とデータに基づく年間離婚確率・離婚件数
全国の既婚カップルのうち、1年間に離婚する確率は約0.67%です。
ここから、ダブルベッド夫婦の離婚確率を推定するために、ひとつの前提を置きます。
仮定:「一緒に寝ている夫婦は、全国平均よりも離婚しにくい」
この仮定には、以下のような根拠があります。
- 一緒に寝ることで「安心感」や「心のつながり」が深まりやすい
- スタンフォード大学などの海外調査でも、共寝夫婦は関係満足度が高いという報告がある
- SNSでも「寝室が別になったら冷めてしまった」などの声が多く見られる
これらをふまえ、ダブルベッド夫婦の離婚リスクは全国平均の約1/3と見積もります。
全国平均0.67% × 1/3 ≒ 0.22%/年
この確率をもとに、該当する夫婦の離婚件数を計算します。
922万組 × 0.22% ≒ 約20,600組/年
④ ダブルベッド夫婦の離婚率と全国平均の比較
推定によると、ダブルベッド夫婦の離婚は年間でおよそ20,600件。
これを日本の総人口(1億2,500万人)にあてはめて、人口あたりの離婚率を出してみましょう。
20,600 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.165/1000人
一方、全国全体の年間離婚率は1.52/1000人です。
つまり、ダブルベッド夫婦の離婚率は、全国平均のおよそ11%(約1/9)。
また、年間20,600件という離婚件数は、1日あたりに換算するとおよそ56組の夫婦が離婚している計算です。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、「ダブルベッド夫婦」の離婚確率は0.22%で、リスクは約1/3に抑えられています。
ただし、ここまでの推計はあくまで統計データをもとにした数字です。
次は、SNSの投稿や検索行動から、より実態に近い数値を出していきましょう。
SNSと検索データから見えた寝室すれ違いの実態
① SNSでは「干渉しすぎ」「孤独」の声が多数
SNSで「ダブルベッド 夫婦」に関する投稿を調べたところ、全480件中、ネガティブ209件、ポジティブ175件、中立96件と、ややネガティブ意見が多めの結果でした。
この背景には、「寝具の快適さ」と「夫婦の心地よい距離感」の両立が難しいという事情があります。
否定的な意見では、「寝返りが打てない」「いびきがストレス」「布団の取り合い」「夜中のトイレで起こされる」など、物理的な寝づらさに関する声が多数見られました。
また、「喧嘩の余韻が寝室に残る」「一緒に寝るのがしんどい」といった心情的なストレスや「自分の時間がほしい」「一人で寝る方が落ち着く」といった、別寝を前向きにとらえる意見も目立ちます。
こうした投稿からは、「一緒に寝ることが必ずしも正解ではない」ということがわかりますね。
つまり、同寝具が合うかどうかは、生活習慣や夫婦の関係性によって変わってくるということです。
このSNS上の傾向をふまえ、SNSによる補正係数は、やや低めの0.8708と設定しました。
② Googleトレンドにみる「ダブルベッド×離婚」への関心推移
Googleトレンドで「ダブルベッド 夫婦」を調べたところ、2016年以降、継続的に検索されていることが分かりました。
短期的な流行というよりは、一定の層にずっと関心を持たれているニッチなテーマといえそうです。
検索地域を見ると、埼玉や千葉などの都市近郊と、滋賀・石川・広島といった地方でも多く検索されていました。
つまり、「夫婦の寝室問題」は、地域を問わず、全国的な関心事になっているのです。
検索の内容も「ベッドサイズの選び方」「寝心地の違い」「同じ部屋で寝るか別にするか」など多岐にわたり、結婚・出産・引っ越しなどのライフイベントと連動して関心が高まる傾向があります。
こうした状況から、検索トレンドによる補正係数は、やや高めの1.02と設定しました。
③ SNSと検索トレンドを掛け合わせて見えた“静かな葛藤”
ここまでで設定したSNS補正係数0.8708と、検索トレンド補正係数1.02を掛け合わせます。
0.8708 × 1.02 = 0.888216 ≒ 0.89
この補正係数をもとに、最初に推定した数値に反映していきます。
年間離婚件数:20,600件 × 0.89 ≒ 18,334件
年間離婚確率:18,334 ÷ 9,220,000 ≒ 0.199%/年
離婚率:18,334 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.1467/1000人
これを、1日あたりに直すと…
18,334 ÷ 365 ≒ 約50組/日
つまり、毎日およそ50組の夫婦が、「ダブルベッドでの共寝」が関係する可能性のある理由で離婚していることになります。
また、この件数は全国の年間離婚件数183,808件のおよそ10%にあたります。

既婚層全体の離婚確率(0.67%)と比べると、ダブルベッド夫婦の離婚確率は0.199%で、リスクは約3分の1にとどまっています。
今後ダブルベッド夫婦の離婚率はどうなる?未来シナリオ予測
① 離婚件数が半減?夫婦間の理解が進んだ場合の未来
まずは、「夫婦それぞれの眠りやすさ」を尊重しながら、同寝具で寝る良さも活かせる寝室環境が広まった未来を想像してみましょう。
この場合、現在の年次離婚確率0.199%から、毎年0.01ポイントずつ下がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
0.199% − (0.01 × 10) = 0.099%
この0.099%の離婚確率を、該当するダブルベッド夫婦(922万組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:922万組 × 0.099% ≒ 9,128件/年
離婚率:9,128 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.073/1000人
1日あたりで見れば、約25件/日。
ここで注目したいのは、現在の数値(18,334件/年)から約9,200件もの離婚が削減できるということです。
つまり、1日あたり約25組の夫婦が離婚を回避できる計算になります。

ベッドを共有しながらも、それぞれの快適さに配慮し合えると夫婦関係がさらに良くなるんです。
② 離婚確率が2倍に?無理解とすれ違いが続く悪化シナリオ
一方、「夫婦は同じベッドで寝るのは当たり前」と思い込み、どちらかが我慢を続けるような状況が続いたとしたらどうなるでしょうか。
このネガティブなシナリオでは、離婚確率が年に0.02ポイントずつ上がっていくと仮定します。
すると、10年後には…
0.199% + (0.02 × 10) = 0.399%
この0.399%の離婚確率を、同じく該当するダブルベッド夫婦数(922万組)に当てはめてみると、
年間離婚件数:922万組 × 0.399% ≒ 36,788件/年
離婚率:36,788 ÷ 125,000,000 × 1000 ≒ 0.294/1000人
1日あたりでは、約101件もの離婚が発生する計算です。
また、現在の数値(18,334件/年)と比較すると、1年で約18,454件も多くなり、10年で18万件超の差が生じる可能性もあります。
そして、全国平均の離婚確率(0.67%)と比べると、0.399%は約1.99倍に相当します。

「夫婦は一緒に寝なきゃいけない」といった固定概念や「自分が我慢すれば丸く収まる」といった我慢が、将来的には大きなすれ違いになってしまうかもしれません。
③ 10年後の差と今できること
ポジティブな未来(0.099%)とネガティブな未来(0.399%)を比べると、たった10年で約0.3ポイント=4倍もの離婚確率の差がつくことになります。
離婚率も、0.073/1000人 vs 0.294/1000人。
年間離婚件数では9,128件 vs 36,788件という、なんと約27,600件もの違いが生まれます。
この差は、ちょっとした生活スタイルや考え方の違いから生まれるのです。
実際にネット上では、「どうやって伝えれば傷つけずに済むか」「別室にしたら関係が改善した」といった声も見られます。
- シングルベッドをくっつけて寝る
ある家庭では、「ダブルだと狭くて不満だけど、完全な別室には抵抗がある」という夫婦が、シングルとセミダブルをくっつけて使う形に変更。振動や寝返りによるストレスは激減し、スキンシップも可能なため、お互いの満足感が高まったそうです。 - 寝具改善の名目で自然に提案する
ある妻は「マットレスがヘタってるし、腰にもよくないよね」と夫をベッド売場へ誘導。店員も巻き込んで、2台の独立ベッドの快適さを体験させたところ、夫も納得し買い替えに成功。愛情や習慣に対する警戒心を持たれずに、提案が通ったといいます。 - 照明・温度・音の相違を話題にする
別室で読書や映画を楽しむことが自由にできるようになったという夫婦もいます。エアコンの温度や照明の好みが真逆だったため、睡眠の質を保つには別寝室にするのは避けられない選択でしたが、「眠る時間だけは別、日中は今まで通り一緒」と認識を持つことで問題なく定着したとのことです。 - 一時的な試し別寝を導入する
最初から完全な別寝を提案せず、「最近寝不足でつらいから、数日だけ別々で寝させて」とお願いしてみたケースもあります。一晩経験して、むしろ快適だったことに気づいた夫が、むしろ別ベッドに積極的になったという事例も見られました。 - 誤解されないように伝え方を工夫する
別寝の提案を「一緒に寝たくない」という拒絶と誤解されないよう、「ずっと一緒にいたいから、二人が快適に寝られる方法を一緒に考えたい」と言い換える工夫をした家庭も。結果、夫婦の結びつきが深まったという声もありました。 - 就寝以外の接触を増やす
別室にしてから「夫婦間の距離ができた気がする」と感じた家庭では、意識的に朝食の時間を合わせたり、寝る前に軽く手を繋ぐなど、小さなスキンシップを意識したそうです。結果として、以前よりも夫婦の関係性が安定したといいます。
ダブルベッドで一緒に眠ること自体が問題なのではなく、「その形がお互いにとって最適か」を考え直すことが重要です。

気持ちよく眠れる環境は、身体の健康だけでなく、心の距離感もグッと良くなりますよ。